【Google広告】オークション分析の「実践的」活用法!初心者からプロ運用者の方まで必見

  • 2022.5.17
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リスティング広告運用者の皆さん、”オークション分析”は活用できていますか?

管理画面にある機能とは知りつつも、使いこなせていない方や使う場面がイマイチわからない方も多いのではないでしょうか。

こちらの記事は、経験の浅い運用者の方でも読むだけで、オークション分析を利用したテクニカルな運用の視点がわかる内容となっています!

私も広告運用を行う際にはこのオークション分析を用いて、通常のクリック率やCPAといった数値以外での着眼点、分析、改善案を考案することが多々あります。

本記事では、オークション分析の概要、管理画面上での具体的な利用方法を図を用いて説明していきます。

運用経験の浅い方でもわかりやすく、今日からすぐ実践へ落とし込める分析内容を掲載していますので、ぜひ読んでみてくださいね!

オークション分析についての基礎理解

オークション分析の仕方に関して具体的な説明をする前に、オークション分析とは何かお伝えします。

運用者の多くは普段、キャンペーン、広告グループ、キーワードの階層でクリック率やCPAを見る機会が多いと思いますが、オークション分析ではそれらとは異なった指標を見ることができます。

オークション分析で何がわかるのか

オークション分析は、Google広告の分析の場面から確認できます。

分析と聞くと、検索クエリや広告文のクリック率などを指標としたものを思い浮かべるかもしれません。

オークション分析は、自社と競合他社の広告出稿の結果を比較できる手段です。

例えば、

  • 自社の広告は他社と比較した際に露出量で負けていないか
  • 掲載されている広告の順位は何番目か

などの状況を確認できます。

普段利用をしない人は、どのように利用するのか、そもそも無料で利用できる機能なのかなどが気になると思いますが、難しい操作もいらず、誰でも利用できる分析指標です。

また、Google広告自体には様々な配信方法が存在しますが オークション分析を利用できる配信は検索広告とショッピング広告のみです。

オークション分析の活用方法

オークション分析は普段の運用で見る機会は多くはないかもしれません。
しかし、用途を理解することで今後注目する場面も増えるでしょう。

例えば、

・狙っているキーワードに、どれくらい競合広告が出稿されているか
・他社のランディングページや記事ランディングページの内容
・競争率の高いキーワードのリサーチ

など、オークション分析を1つとっても様々な利用用途があります。

キャンペーン単位、広告グループ単位、キーワード単位という様に数字を確認する階層ごとでも判断軸は異なってきます。

各階層でどういったオークション分析の利用方法があるのか理解をした上で数値の確認を行っていきましょう。(階層ごとでの確認方法は別項目でお伝えしていきます)

Google広告のみの機能でYahoo!広告にはない

オークション分析は、Google広告のみで利用が可能な機能です。
今後、類似の指標が導入される可能性は非常に高いですが、2022年4月時点ではYahoo!広告には搭載されていません。

オークション分析を確認する方法

ここではオークション分析を実際に管理画面で確認する方法をお伝えします。
キャンペーン単位、広告グループ単位、キーワード単位で階層ごとに数値を確認できます。

ここでいう数値とは、自社の広告出稿に対する出稿状況を指します。
各数値の詳細は後述で述べますが、まずは「競合の情報が見られる場所=オークション分析」という理解で十分です。

キャンペーン単位で確認する場合

続いて、キャンペーン単位でオークション分析の指標を見る方法を紹介します。
キャンペーン単位では大局的に、自社の広告の競合がどれくらいいるのかを確認する際に使用します。大まかに、確認を行い、気になる数値やドメインを確認します。

管理画面を開いて頂くと、キャンペーンが立ち上がります。
キャンペーン単位の状態で画面左手の灰色列部分【オークション分析】からキャンペーン単位でのオークション分析の指標を見ることができます。

広告グループで見る場合

次に、広告グループ単位でオークション分析の指標を見る方法を紹介します。
広告グループで見る場合は、特定の分野(広告グループ)で競合がどれほど出稿しているかを確認する際に用います。

基本的に、広告グループはキーワードのテーマに基づいて設計がされているはずなので、自身で設計したテーマに対して出稿している競合や広告を確認する際に使用します。

広告グループ単位で確認を行う場合は、広告グループ階層にてキャンペーンでの確認方法と同様の手段で広告グループ毎の指標を確認することができます。

キーワード単位で見る場合

最後に、キーワード単位でオークション分析の指標を見る方法を紹介します。
キーワードではより細かく、特定のキーワードの競合を確認する際に用います。

弊社デジタルアスリートの場合、コンバージョン(お問い合わせ)に近いキーワードは「リスティング広告 代理店」などになりますので、広告成果の影響度が高いキーワードに対して調査をしていく形です。

キーワードでのオークション分析のかけ方は少々特殊ですが、特定のキーワードをチェックし、ソート画面のオークション分析から確認を行うことができます。

キーワード毎に確認を行うことで、次章で紹介をする各指標を細かく追うことができます。

オークション分析で使用されている指標の説明

各項目で、オークション分析をかけて頂くと共通して6つの指標が表記されます。

各指標をしっかりと理解しアカウント分析に役立てていきましょう!

インプレッションシェア

「インプレッションシェア」は実際に広告が媒体で表示された回数を、広告が表示される可能性があった合計回数で割った割合です。

例として、1,000回の広告が表示される機会があった際に、実際には500回しか広告の表示がされていなかったとします。
この場合のインプレッションシェアは、500÷1,000=50%となります。

これは、広告表示の機会を50%失っているということになります。50%分の広告表示の機会が見込まれるので改善の余地があると判断ができます。

重複率

重複率とは、自社と競合他社の広告が同時にインプレッションを獲得した割合を表します。

例えば、競合他社A社との重複率が50%の場合は、自社で獲得した全表示回数の50%はその競合他社A社の広告と同タイミングで表示されていることになります。

同じタイミングで表示をされている他社が自社よりも強いメリットなどを押し出していた場合は、広告のクリック率やコンバージョン率に影響を及ぼすかもしれません。

重複率の高い他社競合の訴求を知ることで、差別化するべき点や自社では勝っている要素、劣っている要素を把握し、広告やランディングページへ落とし込んでいくことができます。

上位掲載率

検索広告のみで確認できる指標になります。競合他社の上位掲載率が90%の場合は、競合と自社が同時に獲得した広告表示回数の90%は競合の広告が上位掲載されたということが分かります。

この場合は、Google検索広告でのオークション結果が90%競り負けてしまっているということになります。

キーワードの入札調整、他キーワードの発掘など対策や検討を実施していく必要があります。

ページ上部表示率

検索広告のみで確認できる指標になります。こちらは広告が検索結果の上位に掲載された割合を示しています。上位とは、おおよそ検索結果の2〜4位辺りを指しています。

また、デバイス毎に表示される順位は異なる可能性がありますので、パソコンとスマートフォン毎に確認を行う必要があります。

実際のページ上位表示率

検索広告のみで確認できる指標になります。”上位表示比率”は、広告が検索ページの最上部つまり検索結果の1位に掲載された割合を示します。

例にあげると、広告の表示回数が1,000回に対して実際のページ上位表示率が50%の場合は、実際のページ表示比率は50%になります。

掲載順位によっても、クリック率などは大きく変わってくる要素になってくるためこちらもデバイスごとに順位がどうなっているか、狙っていくべきなのか、検討していく必要があります。

優位表示シェア

優位表示シェアとは、自社の広告が競合他社の広告よりも上位に掲載された割合もしくは、自社の広告のみが掲載された割合を示します。

例として、特定のキーワードを月別に分析する場合に、競合他社の上位掲載率が上がり、優位表示シェアが下がっているならば自分の広告が競合他社Bの広告に上位表示の機会を奪われているということがわかります。

この結果から、競合他社Bとは異なる訴求を検討したり、別キーワードを狙っていくなどの施策を立てることができます。

その他各指標の確認方法

オークション分析の機能を用いた利用方法を述べてきましたが、管理画面からも特定の項目は確認可能です。

表示項目の編集を行うと下記の一覧が表示されます。

表示項目→競合指標から上記図が表示され、各キャンペーン、広告グループ、キーワード毎の階層でインプレッションシェアなどを指標に追加できます。

また、こちらの画面では「ランク」と「予算」という記載があります。これはオークション分析の画面では記載のなかったものになりますが、それぞれ下記の意味を持っています。

損失率ランク…広告の品質による損失率
この場合は広告文の見直しによるクリック率改善、入札キーワードの調整などによって改善が見込まれます。

損失率予算…予算に制限がかかっている影響の損失率
この場合は1日辺りの広告予算の見直しや1キーワード辺りの単価、広告の掲載時刻などを見直し、表示できる期間を伸ばすことで改善が見込まれます。

オークション分析の活用方法(具体的な改善事例もしくは分析方法)

オークション分析の使用方法や用途、分析する際の視点はお伝えをさせて頂きました。とはいえ、オークション分析を利用するシーンは競合状況を確認する際に用いられます。

そのため、ダイレクトでオークション分析からいきなり利用するシーンは稀です。
あるとすれば、いきなりCVRが低下してしまい明らかに競合の影響を受けていそうだと判断がつく場合です。

ここでは、オークション分析を利用するまでの分析に至る流れを具体例を用いて説明をいたします!

競合他社と自社(デジタルアスリート株式会社)のオークション分析

上記で、オークション分析からダイレクトに分析をしない旨をお伝えさせて頂きました。基本的には、キャンペーンまたは広告グループで数字などを見て頂く形になります。

ケーススタディとして、1ヶ月単位で見た時にCTR、CVRが低下している、クリック単価が高騰している場合には競合の影響を受けている可能性が高いためオークション分析を見てみましょう。

上記は弊社のリスティング広告の21年3月、21年4月の指名検索の数値データです。CVRの低下が見受けられます。

CVしているキーワードの変化や広告文の変動がない場合にはオークション分析を見ることで数値低下の要因がわかるかもしれません。

実際にオークション分析を見に行くと下記の結果になっています。

21年3月

21年4月

オークション分析を行う際には、基本的に”重複率”の部分を確認します。わかりやすく、自社と同タイミングで広告出稿されている競合の状況が一覧できるからです。

実際に、大きな変化軸としては表示URLドメインに【ebis.ne.jp】【linebiz.com】が表示されており、単純に自社キーワード検索時の競合になりえていると仮説が立てられます。

シークレットウインドウを用いて、実際に「デジタルアスリート」で検索をしてみると…

それぞれ新たに確認ができたドメインでの広告出稿が確認できます。

特に上記掲載が確認できる、下記の広告はもしかするとリスティングプラスを検索しているユーザーがこちらの広告に流れている可能性があると考えることができます。

そのため、CTR低下に繋がっていると仮説が立てられます。
反対に、2枚目画像の広告はLINE広告に関する広告になるため、検索ニーズが異なります。

そのため、実際の競合にはなりえないと判断ができます。

この場合は実際に競合の広告から遷移を行い、ランディングページの内容やオファー(資料請求・お問い合わせ・無料相談)などを確認し、自社が提供している内容に見劣りがないかなど確認をして
訴求や広告文の再考をしていきます。

上記サービスは、代理店選びを迷っているユーザーに対して「自社に合った代理店を選任します」というようなサービスになっています。

代理店選びで失敗をしたくないと考えているユーザーからすると、他の代理店も検討したいという思考になっていると考えられます。

そのため、自社の広告ではシミュレーションや事前の相談内容の手厚さなど、取り組み前の対応内容の記載を厚めにした内容へ変更した方が、効果が上がるかもしれません。
これは1例になりますので、分析や考え方の参考にしてみてください!

オークション分析の数値を明瞭に可視化する

本記事では、オークション分析を用いて指標ごとに分析を行う術を述べてきました。
確認方法としては基本的に管理画面での確認で事足りますが、長期間の分析を行う際に、Excelに落として逐一レポーティングですと手間がかかる場面もあります。

そんな時には、Google広告にあるレポーティング機能を活用しましょう。

引用:レポート エディタでカスタム レポートを作成する – Google 広告 ヘルプ

簡単にまとめた内容ですが、過去6ヶ月間の競合と自社のインプレッションシェアの推移なども可視化して確認できます。

インプレッションシェアが増加した時期はいつ頃かなど期間を知ることで、特定の月には広告を強めるという事実がわかったりもします。

その背景を調べると決算月の前であったりと競合の動きを把握できるので、分析に慣れた方は活用してみてください。

まとめ

オークション分析は直接管理画面上の数値の分析を行う際や自社の競合をリサーチする際の打ち手として活用することができます。
広告の表示機会を見定めることで予算の調整にも活用できます。

いくらインプレッションシェアを高めようと、競合に圧倒的な強みがある場合や、そもそも資金力の違いで上位を狙うことが難しいケースもあります。

客観的な参考数値としての理解に留め、インプレッションシェアを獲得していくことが効果的かといった視点で判断をするようにしていきましょう!

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関根諒亮

デジタルアスリート株式会社
インハウス支援部 課長
2018年4月、デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)へ入社
そこからリスティング広告運用者として2年従事し、 Facebook広告にも携わる。3年目からは御社のWebチームへ配属され、4年目現在はチームのマネージャーを担当。

趣味は映画鑑賞、Manchester Unitedの試合観戦です。好きな色は赤色です。
好きな映画は『バタフライ・エフェクト』です。 エンディングの『Stop Crying Your Heart Out』が流れる瞬間は映画史に残るエンディングだと思っています。

仕事に関しては、関わってくれた方々への恩返しをモットーに出し惜しみをしない仕事の提供を意識しています。
いつかは自分の得た知識を生かして、地元の活性化に尽力できる様に、何でも知識を吸収していきます。
座右の銘は『未来を見て点を結ぶことはできない。 過去を振り返って点を結ぶだけだ。 だから、いつかどうにかして点は結ばれると信じなければならない。 』
byスティーブ・ジョブス 隣人は静かに微笑む

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