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- ブランド検索コンバージョン(ABS/管理画面の表記は「ブランド関連検索」)を計測するには、ブランドマッピングという設定が前提になります。Google広告ヘルプでは、営業担当者と連携して設定してもらう作業と説明されています。
- ブランドマッピングは広告主が管理画面から操作する項目ではありません。キャンペーン設定の「ブランドの除外」や共有ライブラリの「ブランドのリスト」は配信を制御する別の機能で、これを設定してもABSの計測は始まりません。
- 依頼時に用意しておくとやり取りが短く済むのは、対象アカウントID・対象キャンペーン・ブランド名の表記ゆれ一覧・公式サイトURLの4点です。設定完了後、レポートへの反映には最大7日程度かかるとされています。
ブランド検索コンバージョン(ABS)を使ってみようとヘルプを開くと、「ブランドマッピングを設定してください」という一文に行き当たります。
そこで管理画面を開いて設定項目を探しても、見つかりません。
これは探し方の問題ではなく、ブランドマッピングが広告主側の管理画面から操作する設定ではないためです。この記事では、ABSを計測し始めるまでの手順を、前提となるブランドマッピングの依頼方法を中心に整理します。
目次
ブランド検索コンバージョン(ABS)とは?まず前提の確認
ブランド検索コンバージョン(ABS/Attributed Branded Searches)とは、広告に接触したユーザーが、その後GoogleまたはYouTubeで自社のブランド名を検索した回数を計測するコンバージョンアクションです。管理画面では「ブランド関連検索」という名称で表示されます。
設定に入る前に、押さえておきたい仕様は次の3点です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象キャンペーン | YouTubeキャンペーン、デマンドジェネレーションキャンペーン |
| ルックバック | 既定7日(1〜30日の範囲で変更可) |
| 入札への利用 | 不可(レポート専用のベータ機能) |
そして利用の前提条件が、これから解説するブランドマッピングです。指標そのものの位置づけや、なぜGoogleが指名検索を評価軸に持ち込んできたのかという背景については、ABS(ブランド関連検索)とは?で詳しく解説しています。
ブランドマッピングとは?ABSの計測に必要な「ブランドの紐づけ」
ブランドマッピングとは、Google広告のアカウントと、そのアカウントが宣伝しているブランドを紐づける設定です。これによってGoogleは、ユーザーが検索した語句が「このアカウントのブランドに対する検索」なのかどうかを判定できるようになります。
なぜこれが必要かというと、ABSは「広告に接触したユーザーが、その後Google・YouTubeで自社ブランドを検索した回数」を数える指標だからです。何をもって「自社ブランドの検索」とみなすかがGoogle側で定義されていなければ、そもそも数えようがありません。
Google広告ヘルプ「ブランド関連検索の測定(ベータ版)」では、利用要件として次の2つが挙げられています。
- 対象キャンペーンタイプであること(YouTubeキャンペーン、デマンドジェネレーションキャンペーン)
- 正確なアトリビューションのために、ブランドマッピングが構成されていること
そして設定手順としては、まず営業担当者と連携してアカウントのブランドマッピングを設定してもらう、と案内されています。設定が済めば、コンバージョンページとキャンペーンレポートに自動で表示されるようになる、という流れです。
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ブランドマッピングは公開情報が非常に少ない設定です
Google広告ヘルプには、ブランドマッピングという用語の定義や、広告主側の操作手順は記載されていません。海外のブログ記事には「管理画面の[ツールと設定]>[測定]>[コンバージョン]から設定できる」と書かれているものもありますが、公式ヘルプの記述とは食い違っており、裏付けが取れませんでした。この記事では、公式ヘルプに書かれている範囲と、代理店として依頼を進める際の実務手順に絞って解説します。 |
つまり広告主側でできるのは、設定そのものではなく、Googleに正確な情報を渡して依頼することになります。
まぎらわしい「ブランド」設定を3つ整理する
Google広告には「ブランド」と名のつく機能が複数あり、混同されがちです。ABSの準備として触るべきものはどれなのか、先に整理しておきます。

| 名称 | 目的 | 設定する人 | 設定場所 |
|---|---|---|---|
| ブランドマッピング | ABS(ブランド関連検索)の計測 | Google側 | 管理画面に項目なし(依頼ベース) |
| ブランドのリスト/ブランドの除外・登録 | 配信の制御(指名検索を含める・除く) | 広告主 | ツール>共有ライブラリ>ブランドのリスト、およびキャンペーン設定 |
| ブランド効果測定(ブランドリフト調査) | アンケートによる認知・好意度の測定 | 広告主(要件あり) | キャンペーン単位で作成 |
とくに間違えやすいのが、2つめの「ブランドのリスト」です。キャンペーン設定の「ブランドの除外」から開くと、ブランド名を検索して登録する画面が出てきます。

こちらはGoogle広告ヘルプ「ブランドリストを管理する」で手順が公開されている、広告主が自分で操作できる機能です。P-MAXキャンペーンで指名検索を除外したり、検索キャンペーンで特定ブランドの検索にだけ配信したりするために使います。
| ブランドリストは「配信を制御する設定」、ブランドマッピングは「計測を成立させる設定」。名前は似ていますが、役割はまったく別です。 |
ここを取り違えたまま「ブランドの除外にブランドを登録したのにABSが出ない」となるケースが考えられます。ブランドリストを作っても、ABSの計測は始まりません。
依頼する前に確認しておきたい3つの前提
依頼をかける前に、そもそも自社が対象になるかを確認しておくと二度手間を防げます。
1. 対象キャンペーンを配信しているか
ABSの対象は、YouTubeキャンペーンとデマンドジェネレーションキャンペーンです。検索広告やP-MAXしか配信していないアカウントでは、ブランドマッピングを設定しても計測すべき広告接触が発生しません。
2. レポート専用の指標だと理解しているか
ABSは「すべてのコンバージョン」列と「結果」列に表示されますが、入札に使われる「コンバージョン」列には表示されません。自動入札の最適化対象にはできない、という点は事前に社内で共有しておいた方がよいでしょう。コンバージョン設定を見直す作業とは性質が異なります。
3. 依頼できる窓口があるか
Google広告ヘルプが案内しているのは営業担当者経由です。担当者がついていないアカウントの場合は、代理店に運用を委託しているなら代理店経由、そうでなければGoogle広告のサポート窓口に問い合わせる形になります。ベータ版の機能である以上、アカウントの状況によっては対応可否が分かれる可能性があります。
依頼の手順と、伝えるべき4つの情報

Step 1. 窓口を決める
Googleの営業担当、代理店、サポートのいずれかを確認します。代理店に任せている場合は「ブランドマッピングの申請状況」を聞くのがもっとも早い確認方法です。
Step 2. 伝える情報をまとめる
依頼のやり取りを短くするために、次の4点は先に用意しておくことをおすすめします。
- 対象のGoogle広告アカウントID(複数アカウントがある場合はすべて)
- 対象キャンペーン(YouTube/デマンドジェネレーションのキャンペーン名)
- ブランド名の表記ゆれ一覧(正式社名、略称、カタカナ・英字表記、主要な商品・サービス名)
- 公式サイトのURL(ブランドの実在を示す一次情報として)
3つめが実務上もっとも重要です。ブランド名を正式名称ひとつしか伝えていないと、ユーザーが実際に検索している表記が漏れる可能性があります。「デジタルアスリート」「デジアス」「digital athlete」のように、社内では当たり前でも外から見れば別表記になるものは書き出しておきましょう。
Step 3. 依頼を出す
伝える内容の骨子は次のようになります。
- ABS(ブランド関連検索/Attributed Branded Searches)を利用したいこと
- そのためにブランドマッピングの設定を依頼したいこと
- 上記4点の情報
- 対象アカウントで配信中のキャンペーンタイプ
Step 4. 反映を確認する
設定完了後、コンバージョンページとキャンペーンレポートに自動で表示されます。反映には最大7日程度かかるとされているため、依頼した翌日に出ていなくても異常ではありません。
確認場所は次の通りです。
- [目標]>[概要(サマリー)]を開き、「比較検討(Consideration)」目標の配下に「ブランド関連検索」が出ているか
- キャンペーン表に「すべてのコンバージョン」列を追加し、セグメントで「コンバージョンアクション」を選択して確認
タグの追加やサイト側の改修は発生しません。この点は通常のコンバージョン計測と大きく異なります。
数字が出ないときに確認する4つのポイント

Google広告ヘルプは、ブランド検索のアクティビティが表示されない場合の一般的な原因として、次の4つを挙げています。
- クリエイティブの質 — 記憶に残らない広告は、そもそも指名検索を生みません
- オーディエンスが狭すぎる — 接触人数が少なければ、母数として現れにくくなります
- 検索ボリュームが少ない — ブランド自体の検索需要が小さい場合、数字は動きにくくなります
- 対象外のキャンペーンタイプ — YouTube・デマンドジェネレーション以外では計測されません
加えて、「すべてのコンバージョン」列でゼロ表示になっている場合は、「ビュースルー コンバージョン」列と「結果」列をキャンペーン表に追加してみるよう案内されています。設定の問題ではなく、表示列の問題であるケースもあるということです。
すべての広告主が今すぐ依頼すべき設定とは限りません
ここまで手順を書いてきましたが、ブランドマッピングは急いで依頼しなければ機会損失になる、という種類の設定ではありません。
優先度が低いケース
- YouTube・デマンドジェネレーションを配信していない場合。計測対象の広告接触が発生しないため、設定しても数字は出ません
- 月額の広告費が小さく、認知施策にほとんど配分していない場合。指名検索の増減が統計的に見える規模に届きにくくなります
- 入札の改善を急いでいる場合。ABSは入札に使えないため、CPAの改善には直結しません
優先度が高いケース
- YouTube広告やデマンドジェネレーションに継続的に予算を配分している場合
- 動画クリエイティブのA/Bを回しており、クリック以外の判断材料が欲しい場合
- 認知施策の効果を社内で説明する必要があり、レポートに載せられる数字を増やしたい場合
依頼自体にコストはほとんどかかりません。該当するキャンペーンを回しているのであれば、情報を整理して出しておき、数字が溜まってから判断する、という順番で十分だと考えられます。
まとめ
ブランド検索コンバージョン(ABS)を計測し始めるために必要なのは、タグの設置でもコンバージョンアクションの作成でもなく、ブランドマッピングの設定です。これは管理画面から広告主が操作する項目ではなく、Googleの営業担当者と連携して設定してもらう形になります。
そして、キャンペーン設定にある「ブランドの除外」や共有ライブラリの「ブランドのリスト」とは別物です。ここを取り違えると、設定したつもりでいつまでも数字が出ない状況になりかねません。
やることはシンプルで、ブランド名の表記ゆれを含む情報を整理し、窓口に依頼し、7日ほど待って反映を確認する。それだけです。対象キャンペーンを配信しているのであれば、早めに出しておいて損はない設定と言えるでしょう。
出典
- Google広告ヘルプ「ブランド関連検索の測定(ベータ版)」(2026年8月18日参照)
- Google広告ヘルプ「ブランドリストを管理する」(2026年8月18日参照)
- Google広告ヘルプ「検索と P-MAX のブランド設定について」(2026年8月18日参照)
よくある質問(FAQ)
Q. ブランド検索コンバージョン(ABS)とは何ですか?
A. 広告接触後に、自社ブランドが検索された回数を計測するコンバージョンアクションです。
管理画面では「ブランド関連検索」と表示されます。対象はYouTubeキャンペーンとデマンドジェネレーションキャンペーンで、ルックバックは既定7日(1〜30日で変更可)。現時点ではレポート専用で、入札の最適化には使えません。
Q. ブランドマッピングとは何ですか?
A. Google広告のアカウントと、そのアカウントが宣伝しているブランドを紐づける設定です。
ABS(ブランド関連検索)を計測するための前提条件で、これが構成されていないとブランド検索が計上されません。Google広告ヘルプでは、営業担当者と連携して設定してもらう作業として案内されています。
Q. ブランドマッピングは管理画面のどこで設定しますか?
A. 広告主が管理画面から設定する項目は用意されていません。
Google広告ヘルプの手順も「まず営業担当者と連携してブランドマッピングを設定してもらう」となっており、広告主側でできるのは依頼と情報提供までです。担当者がついていない場合は、代理店経由またはGoogle広告のサポート窓口への問い合わせになります。
Q. キャンペーン設定の「ブランドの除外」がブランドマッピングですか?
A. 別の機能です。
「ブランドの除外」は共有ライブラリの「ブランドのリスト」を使って配信を制御する設定で、広告主が自分で操作できます。一方のブランドマッピングは計測のための設定で、Google側で行われます。ブランドリストを作ってもABSの計測は始まりません。
Q. 依頼するときに何を伝えればよいですか?
A. アカウントID、対象キャンペーン、ブランド名の表記ゆれ、公式サイトURLの4点です。
とくに表記ゆれは重要で、正式名称だけでなく略称、カタカナ・英字表記、主要な商品名まで書き出しておくことをおすすめします。
Q. 設定後、どのくらいで数字が出ますか?
A. レポートへ反映されるまで、最大7日程度かかるとされています。
それを過ぎても表示されない場合は、キャンペーンタイプが対象か、「ビュースルー コンバージョン」列と「結果」列を表に追加しているか、クリエイティブやオーディエンス、検索ボリュームの条件を満たしているかを順に確認します。
Q. タグの設置など、サイト側の作業は必要ですか?
A. 必要ありません。
通常のコンバージョン計測と異なり、Googleタグの追加やサイト改修は発生しません。ブランドマッピングの設定が済めば、自動的に計測が始まります。

デジタルアスリート株式会社 代表取締役社長/デジタルマーケティング協会 理事
1984年、長野県生まれ。
日本体育大学卒業後、コピーライター兼Web広告運用者としてキャリアをスタート。
2011年に株式会社リスティングプラス(現・デジタルアスリート株式会社)を設立し、代表取締役に就任。
Web広告とランディングページ制作を強みに事業を拡大し、
同社はこれまでに中小企業を中心として累計2,400社を超える企業のデジタルマーケティングを支援。
2022年1月にデジタルアスリート株式会社へ社名を変更し、
現在はマーケティングの上流設計から広告運用・人材育成までを一気通貫で支援する総合デジタルマーケティング企業として事業を展開している。
著書に『コンバージョン数を最大化する7つの極意』(学研プラス)、『DX時代の売れるしくみの作り方』(スタンダーズ)。初の著書はAmazonセールス・マーケティング部門で第1位を獲得。
各種SNSでも日々最新情報を発信。
・Youtube:アスリート社長のチーム経営学
・X(旧Twitter):長橋真吾|最新マーケティング×AI活用で内製化を支援!
Writer
長橋真吾 記事一覧
デジタルアスリート株式会社 代表取締役社長/デジタルマーケティング協会 理事
1984年、長野県生まれ。
日本体育大学卒業後、コピーライター兼Web広告運用者としてキャリアをスタート。
2011年に株式会社リスティングプラス(現・デジタルアスリート株式会社)を設立し、代表取締役に就任。
Web広告とランディングページ制作を強みに事業を拡大し、
同社はこれまでに中小企業を中心として累計2,400社を超える企業のデジタルマーケティングを支援。
2022年1月にデジタルアスリート株式会社へ社名を変更し、
現在はマーケティングの上流設計から広告運用・人材育成までを一気通貫で支援する総合デジタルマーケティング企業として事業を展開している。
著書に『コンバージョン数を最大化する7つの極意』(学研プラス)、『DX時代の売れるしくみの作り方』(スタンダーズ)。初の著書はAmazonセールス・マーケティング部門で第1位を獲得。
各種SNSでも日々最新情報を発信。
・Youtube:アスリート社長のチーム経営学
・X(旧Twitter):長橋真吾|最新マーケティング×AI活用で内製化を支援!