DSP広告の主要6種類と媒体選びの2つのポイントを交えて紹介します

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岡田 康佑

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「DSP広告ってそもそも何があるのか」
「それぞれのDSP広告の特徴を知りたい」
「自分のケースはどのDSP広告を選べばいいのかわからない」

この記事では、このような悩みがある人に向けた情報を記載しています。

DSP広告は、ディスプレイ広告において効率的な配信を可能にしていることから注目を集めています。
しかし「どんな広告なの?」と聞かれるとちゃんと答えられない人も多く、種類も多いため、そもそも特徴はなに?どれを選べばいいのかわからないという悩みが多いのではないでしょうか。

まず、DSP広告は数多くの種類がありますが、Google、Yahoo!のような王道媒体はありません。
しかしその中でもターゲティングリストの規模感が大きい主要媒体が6つあります。

最初に選ぶ際は、この6つの主要媒体の中から医療業界ならこの媒体、ECサイト系ならこの媒体など、自分の業界、商材に特化しているDSP媒体を先に決め、その中でAIに任せるアルゴリズム型か、人の手で調整していく運用型のどちらを重視するかというポイントを交えて選ぶ必要があります。

当記事では現在主要であるDSP広告の紹介とそれぞれの特徴、このようなケースにこの媒体は良いというケースを交え説明していきます。

DSP広告とは

DSPとは、Demand Side Platformの略称であり、ざっくり言うと「広告を出したい」という広告主側のプラットフォームです。

DSP広告を説明する上で切り離せないのがSSPです。
SSPとは、Supply Side Platformの略称であり、「広告枠を提供するので使ってほしい」というメディア側のプラットフォームです。

需要側と共有側、つまり対の関係でありながら、広告主は様々な配信面に簡単に広告を出すことができ、メディア側も簡単に広告枠を売って利益を得られるというWin-Winの関係でもあるのです。

と、文字で説明しても分かりにくいと思いますので、どのように配信されるのか図にまとめました。

よくある質問としてディスプレイ広告とどう違うの?というものがあります。
詳しくは以下の記事も参考にしてみてください。

2STEPで見るDSP広告の選び方

冒頭にも記載した通り、大前提としてDSP媒体にGoogle、Yahoo!のような王道媒体はありません。
その点を踏まえ、医療業界ならこの媒体、ECサイト系ならこの媒体など、自分の業界や商材に特化しているDSP媒体を先に決め、その中でAIに任せるアルゴリズム型か、人の手で調整していく運用型のどちらを重視するかというポイントを交えて選ぶ必要があります。

STEP1:媒体の得意商材から選ぶ

DSP広告には媒体によって合う商材、合わない商材があります。
その点を確認し、自分の商材に合っているかどうかを選ぶようにしましょう。

例えば、この媒体はBtoBに強い、医療系に強いなどです。
こちらは下の項で記載しておりますので、そちらを参照してください。

STEP2:DSP媒体の2つの型

DSP媒体は大きく分けて、運用型とアルゴリズム型にわかれます。
STEP1で自分の商材ならこの媒体か、この媒体などと絞った後、運用型かアルゴリズム型のどちらが良いかを選んでいきましょう。

特徴として運用型はサポート体制がアルゴリズム型よりも整っており、媒体の運用者側とのコミュニケーションにより細かい調整が可能なため、ミクロな施策粒度で調整したい場合はこちらをおすすめします。

逆にアルゴリズム型はAIによる自動運用が多いため、細かい調整はできないものの最適化がうまくいけば、うまく獲得に繋がりやすいというものになっています。
直近はAIによる成約率の高い人へのターゲティング精度が高まっているため、細かいことは面倒だけどまずは試してみたいという方にはおすすめです。

主要DSP広告の種類と向いてる商材

まず一覧を記載すると以下のような形になります。

向いている商材や効果的なケース
Criteo(クリテオ) 商材が多いECなど
UNIVERSE Ads 飲料系、自動車系、エンタメ系、BtoB、医療製薬系
FreakOut DSP 合う商材やケース:幅が広いので広くブランディングをしたいとき
ADMATRIX DSP BtoB系
logicad ECサイトや商品が多い場合
KANADE EC系、人材系、 不動産、 旅行系など

 DSP広告媒体ごとの特徴

Criteo(クリテオ)

合う商材やケース:
商材が多いECなどは相性が良いです。
フィードとAIによるリマーケティングが優秀なため、色んな商品があるECサイトは行っていくべきです。

運用会社:CRITEO株式会社
運用タイプ:アルゴリズム型
課金形態:CPC課金
特徴:
フィードからバナーとリンク先を商品毎にAIが自動作成してくれます。
運用もAIが主に行い、入札調整、最適な相手へのリマーケティングを行える媒体です。

サイトUU数が4万以上でないと、しっかり動かない媒体でもあるのでサイト流入が多くなってきたら使用していくのが良いでしょう。

UNIVERSE Ads

合う商材やケース:
マイクロアドが提供するPantry(飲料食品)・IGNITION(自動車)・Circus(エンタメ)・シラレル(BtoB)、IASO(医療、製薬)といった業界特化型のマーケティングデータプラットフォームと接続しているため、上記業界の配信は相性が良い。
対象の業界の場合は配信を行ってみるのは有りです。

運用会社:株式会社マイクロアド
運用タイプ:アルゴリズム型
課金形態:CPM課金
特徴:
MicroAdBLADEから移管したDSP媒体。
AI基盤を用いた自動入札ロジックの大幅刷新、豊富なデータを基にした業界特化型マーケティング、外部ツールを用いた広告価値の毀損防止などの特徴がある。

FreakOut DSP

合う商材やケース:
何かに絞らず、多くのユーザーに配信したいという場合はこちらの媒体は相性がよいです。
ブランディングを行う場合にも強い媒体です。

運用会社:株式会社フリークアウト
運用タイプ:運用型
課金形態:CPM課金
特徴:
国内最大級の広告枠在庫(2,500億インプレッション)を持っているため、多くのユーザーに広告を配信でき、何かを特化というより配信幅の広さが特徴です。

ADMATRIX DSP

合う商材やケース:
企業ターゲティングや役職ターゲティングなどもあり、企業レポートなども出すことができるため、toB事業のビジネスに相性が良い。

運営会社:株式会社フルスピード
運用タイプ:運用型
課金形態:CPM課金
特徴:
大きく分けて2つあり、1つ目が国内最大級の在庫数を持ち、国内最多のIPデータ量と特許出願技術による「国内の企業、業種に対してターゲティングができる」DSPであること。
2つ目が独自のスマホ動画向け動画アドネットワークの接続によりブランドセーフティーを重視した配信が可能なことです。

Logicad

合う商材やケース:
運用型で比較的自由度が高いため、細かく調整を入れたいという方はこちらのDSPがおすすめです。ダイナミッククリエイティブ配信などの性能が高いため、ECサイト系や複数の同じジャンルの商品を盛っている場合は相性が良いです。

運用会社:ソネット・メディア・ネットワークス株式会社
運用タイプ:運用型
課金形態:CPC課金&CPM課金
特徴:
初期設定費用や最低出稿金額がないので他のDSPに比べ低リスクで出稿ができます。
人工知能「 VALIS-Engine 」を活用した、デモグラフィックのターゲティングの他、企業属性やチラシ閲覧カテゴリなど、連携するメディアのデータを使用したユニークなターゲティングが可能です。

KANADE

合う商材やケース:
広告配信が効果的なのは、商材の多い業界で EC、人材、 不動産、 旅行系の商材は相性が良いです。

運用会社:京セラコミュニケーションシステム株式会社
運用タイプ:運用型
課金形態:CPM
特徴:
広告主と相談しながら運用を行うという面でサポート体制が手厚く、また機械学習を利用して膨大なデータから適切な入札戦略を自動的に決定します。
リタゲと同時に新規層に向けた配信を推奨しつつ、オーディエンスのボリュームが少なくならないよう推奨しています。

その他DSP媒体

ここからはその他のDSP媒体の一部ご紹介です。
DSP媒体は無数に数があるため、基本的には上記の主要DSP媒体よりまずは行い、そこの成果を見つつ、更に拡大していきたい場合のみ以下の媒体を選ぶ形にしていきましょう。

DSP名 運営企業 運用タイプ 特徴
AmazonDSP Amazon.com, Inc. アルゴリズム型 Amazon広告をやっていなくても、Amazon内に広告を出すことができる。
楽天DSP 楽天株式会社 アルゴリズム型 1億以上の楽天会員とそのユーザーIDに基づく登録情報や実際の行動(閲覧・購買・サービス利用)という、推測ではない確かなデータを基にターゲティング配信が行える。
GMO SmaAD DSP GMO NIKKO株式会社 運用型 成果報酬で良質なユーザーを獲得出来るアプリ向けDSPです。
低リスクでユーザーを獲得し、更にそのユーザーのアプリ内データ(課金・起動etc)を活用した広告配信を行うことでROASを最適化します。
クロスリスティングDSP 株式会社クロスリスティング 運用型 教えて!Gooや楽天会員のデータを使用しターゲティングすることができる。
GREE Ads DSP グリー株式会社 アルゴリズム型 広告効果自動最適化、リターゲティング配信、Real Time Bidding機能などを持つ広告配信サービスです。 
GREE Ads DSPを用いることで、広告主様は自社のプロモーションにマッチした媒体に、最適な価格でリーチすることが可能なサービスです。
ScaleOut Supership株式会社 運用型 独自データを活用した高精度なターゲティング配信や媒体開示型の詳細なレポーティング機能によって、より効果的、効率的な広告運用を多様な広告フォーマットにて可能にする広告主向け配信プラットフォーム。
MarketOne 株式会社プラットフォーム・ワン アルゴリズム型 国内最大級の広告枠や在庫に対して、広告主様の多様な要望に応じた配信を可能にするクリーン&セーフなDSPです。
業界最先端の配信最適化ロジックを搭載。
Bypass ユナイテッド株式会社 アルゴリズム型 グローバルなインベントリー(広告枠在庫)の保有、広告効果自動最適化、多彩なターゲティング、豊富なレポートが特徴。
TerminalOne MediaMath アルゴリズム型 日本で初めて RTB 取引を開始したDSP。
Adlnte 株式会社アドインテ 運用型 リッチメディア広告の製作から配信まで任せられる。SP配信に特化。

まとめ

DSP広告は王道媒体は存在しませんが、データ量、実績のある6つの主要媒体があります。

最初に選ぶ際は、この6つの主要媒体の中から医療業界ならこの媒体、ECサイト系ならこの媒体など、自分の業界、商材に特化しているDSP媒体を先に決め、その中でAIに任せるアルゴリズム型か、人の手で調整していく運用型のどちらを重視するかなどポイントを交えて選んでいきましょう。

そして、主力媒体で成果が出た場合、今回主力として紹介していないその他DSP媒体に広げていく流れをお勧めします。 是非この記事の内容を参考に最初に試すDSP媒体を決めてみてください。

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岡田 康佑 記事一覧

デジタルアスリート株式会社
ウェビナーマーケティング部 課長
レジャー業界に新卒で入社し7年勤務。内後半4年は販促、広報の責任者として従事し、施設の年間集客数を昨対比125%以上の増を3年連続で達成した。
その後デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社し、Web広告の運用やWeb広告を中心にWebマーケティングのコンサルティングなどを行っている。
コンサルに入り、2年で売上を6億→20億、集客数3万→10万に伸ばすなどの実績がある。
元々Webというよりオフラインの広告を扱うことが多かったためWeb広告は一つの手段として最適な案を考えるようにしている。相談に乗る、人に何かを教えるということが好き。
海鮮が好きなので車を出してでも近場の店より海沿いの店に行くことが多く、休日はよくドライブがてらどこかにいくかテニスをしている。

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