ディスプレイ広告とは?|メリットからリスティング広告との違いまで詳しく解説

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長橋真吾

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本記事では「検索広告は実施したことがあるけれど、ディスプレイ広告って有効なの?」という方のために、検索広告との違いやディスプレイ広告の特徴について解説していきます。

今回はディスプレイ広告のメリットや注意点について、13年間の累計1,800社以上のディスプレイ広告の運用経験からわかったノウハウについて解説していきます。

ディスプレイ広告が有効な時とそうでない時、ディスプレイ広告から結果に結びつける具体的なステップについても言及していますので、「効果的に使いこなせない」「費用対効果が合わない」と課題を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください!

目次

ディスプレイ広告とは

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの中に画像や動画にテキストを組み合わせた形で表示される広告のことです。

ディスプレイ広告は、バナー形式で表示されることも多いためバナー広告とも呼ばれます。

その中で代表的なディスプレイネットワークがGoogleやYahoo!が提供しているGDNとYDAになります。

Webサイトやアプリのユーザーの目につく場所に広告を出稿し、画像や動画などにテキストを含めた視覚に訴えるような訴求をすることで、ユーザーの興味を惹きクリックからサイトへの誘導やコンバージョンの獲得に繋げます。

またディスプレイ広告は、入札額や、配信先、ターゲティング、クリエイティブなどを日々調節しながら成果の最大化を目指す「運用型広告」の一つです。

基本的には運用型広告が中心ですが、Yahoo!ディスプレイ広告では運用型広告の他に「予約型」と呼ばれる、代理店経由でしか掲載できない特定の広告枠があります。
Yahoo!JAPANのトップページやYahoo!ニュースのサービスページなど視認性の高い場所に画像や動画を掲載できます。

引用元:LINEヤフー for Business

ディスプレイ広告の特徴

ディスプレイ広告の特徴について確認していきましょう。

ディスプレイ広告は潜在層向けの広告

検索広告が今すぐ課題を解決しようとしている顕在層に向けての広告に対し、ディスプレイ広告は、サイト内でコンテンツを閲覧しているユーザーを対象にすることから潜在層向けの広告と言われています。

 

 

インターネットユーザーはネット利用時間の95%をコンテンツ閲覧やSNS利用、Eコマースに使っていると言われており、検索行動をしている時間はたったの5%と言われています。

よってディスプレイ広告を配信することで、検索広告ではアプローチできない95%の時間に、広告配信の機会を持てるのが大きなメリットです。

検索広告に比べると潜在層をターゲットにすることからコンバージョン率は下がる傾向にありますが、その分クリック単価は安く、上手く使えれば売上アップに大きく寄与できる広告でもあるのです。

広告フォーマットが豊富(テキスト・画像バナー・動画など)

ディスプレイ広告はインターネットユーザーが検索に使う時間以外の95%にアプローチできるよう、様々なサイトやアプリでもユーザーの目に止まりやすい広告フォーマットが充実しています。

サイト内にテキスト広告を表示することも出来れば、YouTubeのような動画メディア内に動画広告を配信することもできるようになっています。

テキスト広告に限定されないことから、検索広告に比べて遥かに多い情報量を潜在層に届けることができるのもディスプレイ広告のメリットです。

広告フォーマットが豊富で様々な配信が可能

ディスプレイ広告には様々な広告フォーマットが用意されていると上述しましたが、広告掲載先も多数あります。

情報メディアや個人ブログ内、アプリのインストール画面、YouTubeの動画閲覧画面など、普段見ているWebサイトの何処かに広告が表示されているのであなたもどこかで目にしているはずです。

▼Webサイト(メディアやブログ)のトップバナー、サイドバナー、アプリ内

▼YouTubeなどの動画閲覧画面や関連動画部分

このようにディスプレイ広告は、検索広告とは異なり、サイトを閲覧しているユーザーに向けて、様々な広告フォーマットを用いて、通常では広告掲載が難しいような大手メディアやインターネットサービス内に自社の広告を掲載できるのが強みです。

正しく活用できれば、優良なwebサイトから安いクリック単価で大量の見込み客を自社のWebサイトに集客できるのです。

ディスプレイ広告の掲載場所

ディスプレイ広告は、GoogleやYahoo!と提携するWebサイトやアプリ内に掲載するテキスト型、画像バナー型のWeb広告です。

Google広告経由でGoogleの提携サイト内に掲載するディスプレイ広告をGDN広告(=Googleディスプレイネットワーク広告の略)、 Yahoo!広告経由でYahoo!提携サイト内に掲載するディスプレイ広告をYDA広告(=Yahoo!ディスプレイ広告の略)と呼びます。

GDN(Googleディスプレイネットワーク)の掲載先

GDNでは、Googleと提携する200 万以上のウェブサイトにディスプレイ広告を配信できます。
例えば、Googleが持つ世界最大の動画サイト「YouTube」や、提携しているライブドアブログ・教えてgoo・食べログ・ピクシブなどが配信先となります。

またGoogleにはGoogleアドセンスというサイト収益化プログラムがあり、利用している個人運営サイトの広告枠にもディスプレイ広告を配信できます。

Googleアドセンスとは:Googleが提供するクリック報酬型広告です。表示された広告がクリックされるたび、掲載しているサイト運営者へ報酬が発生します。

YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)の掲載先

YDAでは、日本最大のポータルサイト「Yahoo! JAPAN」をはじめ、提携パートナーや広告配信サービスを経由して多様なメディアに広告配信ができます。

引用:広告掲載メディア – Yahoo!マーケティングソリューション

様々な目的やニーズを持ったユーザーが集まるこれらのメディアのトップページなどに、広告掲載の申し入れをすることなく自社の広告をクリック課金型で掲載できる点がディスプレイ広告の強みでしょう。

GDNとYDAでは提携サイトに違いがあるため費用対効果は異なりますが、配信フォーマットや仕組みに大きな違いはないので、GDN広告・YDA広告=ディスプレイ広告と理解しておきましょう。

ディスプレイ広告とリスティング広告の違い

Web広告を始めようか検討する際に、ディスプレイ広告とよく比較されるのが同じ運用型広告の1つであるリスティング広告です。

リスティング広告は、GoogleやYahoo!、Bingなどでユーザーが検索した際に、検索結果に表示される広告のことです。(ページの上部や下部に表示されます)

Web広告のセオリー的には、顕在層に向けて広告を配信するリスティング広告から始めることが多いですが、ディスプレイ広告とどちらを利用するか迷う広告主の方もいるでしょう。

ここでは、リスティング広告とディスプレイ広告の違いと使い分けについて説明します。

ディスプレイ広告 リスティング広告
広告の掲載面 Webサイトやアプリの広告枠 検索結果の上部や下部
ターゲット層 幅広いユーザーへ訴求 ニーズが明確な顕在層に絞り訴求
広告の形式 画像や動画とテキスト テキスト
クリック単価 安い(20円~100円程度) キーワードによっては高い
(50円~数千円以上)

広告の掲載面の違い

 

リスティング広告は「検索連動型広告」とも呼ばれ、ユーザーの検索キーワードに合わせて、検索画面の上部や下部に表示されるテキスト形式の広告です。タイトル(見出し)と説明文でユーザーに訴求します。

一方でディスプレイ広告はWebサイトやアプリ内で、画像や動画とテキストを組み合わせてビジュアルで訴求する広告です。

コンテンツをブラウジングしているユーザーが思わずクリックしてしまうようなクリエイティブを作成することが重要になります。

ターゲット層の違い

リスティング広告の強みは、明確な意図を持つ「顕在層」へのアプローチです。 ユーザーが自ら検索キーワードを入力するため、特定のニーズや問題意識を持っていることが明らかです。

「青汁 おすすめ」と検索するユーザーは、健康増進のために青汁の購入を検討中であり、購入決定に近い段階にあります。このため、コンバージョン(購入や申し込みなどの目標行動)につながりやすいという特徴があります。

一方でディスプレイ広告は、別の目的でコンテンツを閲覧中に広告に遭遇するため、商品やサービスに対する認識がまだ低い「潜在層」にアプローチすることになります。

顕在層だけに配信しても広告の成果が拡大しにくいため、ディスプレイ広告でより広いユーザーにリーチできるようにすることが一般的な広告戦略になります。

クリック単価の違い

クリック単価(CPC)は、ディスプレイ広告と比較するとリスティング広告の方が高くなります。

リスティング広告のクリック単価の相場は50円~数千円程で、競合性の高いキーワードほどクリック単価が高くなります。その理由は、多くの広告主がコンバージョンに繋がり易いキーワードに入札を集中させるためです

またテキスト広告のため、クリエイティブ作成の工数が必要ありません。そのため広告出稿のハードルが低く競合性も高くなっています。

一方でディスプレイ広告のクリック単価は比較的低く、通常20円~100円程となります。クリック単価が低い分、多くのユーザーにリーチできるのが特徴です。

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ディスプレイ広告の5つのメリット

ディスプレイ広告のメリットとデメリットを確認していきましょう。まずはディスプレイ広告を利用する5つのメリットから紹介していきます。

安いクリック単価で大量のアクセスを集めることができる

検索広告とディスプレイ広告を総じてリスティング広告と言いますが、このリスティング広告自体がクリック課金制となっており、クリック単価はオークションで決まる仕組みになっています。

よって、広告掲載するライバルが増えれば、クリック単価は高くなりますが、検索広告に比べてディスプレイ広告は潜在層向きの広告なので、利用する広告主も少ない傾向にあります。

そのため、検索広告に比べるとクリック単価の高騰が起こりにくく、クリック単価が安く収まるので検索広告に掲載するよりも遥かに多いアクセスをディスプレイ広告では集めることができます。

▼検索広告とディスプレイ広告の平均クリック単価の比較例

カテゴリー Google検索 平均クリック単価 GDN 平均クリック単価
BtoB 495円 118円
消費者向けサービス 960円 121円
Eコマース 174円 67円
教育 360円 70円
求人 306円 117円
金融・保険 501円 129円
家庭用品 441円 90円
不動産 355円 112円
技術 570円 76円
旅行・観光 229円 66円

参考:
Google Ads Benchmarks for YOUR Industry [Updated!] | WordStream

業界やビジネスによってクリック単価の差はありますが、検索広告の1/4~1/8程度のクリック単価もあり、業界によってもディスプレイ広告の活用度が異なることが分かります。

※データは米国内のアカウントから集計されています
※金額はドルベースの金額を1ドル150円換算で算出しています

豊富なターゲティングとの組み合わせで見込度の高いユーザーを狙い撃ちできる

YDA・GDNターゲティングには、自社顧客の類似ユーザーを広告配信の対象にするもの、特定のカテゴリのサイトに絞って広告を出すもの、年齢や性別でセグメントして広告を出すものなど、様々な種類があります。

これらの機能の豊富さが、ディスプレイ広告は魅力であり、ターゲティングを掛け合わせることによって更に詳細なセグメントで広告掲載が可能になるのです。

・年齢、性別、地域ターゲティング
⇒年齢や性別、地域を指定し配信。他ターゲティングと組み合わせで使うケースが多い。

・インタレストカテゴリターゲット
⇒特定の興味関心を持つユーザー(車好きのみ、美容系のみ)に配信。

・GDNトピックターゲット&YDNサイトカテゴリ
⇒特定のカテゴリに分類されるサイト(車関係、美容関係)に限定して配信。

・GDN/YDAプレースメントターゲット
⇒特定のURLを指定して配信。

・GDNコンテンツターゲット
⇒設定したキーワードにマッチするコンテンツを持つサイトに配信。

・GDNディスプレイセレクトキーワード/YDAサーチターゲティング
⇒設定したキーワードを実際に検索したユーザーのみに配信。

・GDN/YDA類似ターゲティング
⇒特定の条件を満たすユーザーに類似した見込み客のみに配信。

・GDN/YDAリターゲティング広告
⇒特定のトラッキングタグを持つ(接触した)ユーザーのみに配信。

このように様々な興味やカテゴリ、人ベースか掲載面ベースか、トラッキングタグのあるなし等様々なターゲットを組み合わせながら、詳細なセグメントでWebサイト内に広告を掲載できます。

豊富な広告フォーマットで動画広告が可能

検索広告はテキスト型の広告のみの配信ですが、ディスプレイ広告は動画や画像を駆使し、視覚的にも魅力的な広告を掲載できます。

テキストではうまく商品の魅力を伝えられない、という場合でも画像を使ったイメージ広告や動画を使った動画広告を使うことで魅力を十分に伝えることができます。

5Gが叫ばれている昨今、動画広告の需要が上がっており、自社プロダクトの魅力を動画にしてストーリー仕立てにしたり、テレビショッピング風にPRしたりなど、様々なコンテンツで潜在層に視覚的・聴覚的にアプローチをする動向にあります。

なお、GDNはYouTubeへの広告掲載も可能なため、動画コンテンツを楽しんでいるユーザーにユーザーの興味関心に応じて動画広告を配信することも可能です。

リマーケティング広告で一度接触したユーザーを逃さない

次に紹介したいメリットは、ディスプレイ広告の中でも特に重宝されるリマーケティング広告についてです。

リマーケティング広告は、自社サイトに訪れたユーザーのみに広告配信をすることができるため、「興味は持っているけれどまだ成約していないユーザー」の取りこぼしを防ぐ効果があります。

実際に、ディスプレイ広告の中でも一番費用対効果は高く、検索広告とセットで導入が検討されるケースが多いです。

またターゲティングはそれぞれ組み合わせて使えるので、検索広告の補完役として使うこともできれば拡張役として使うこともでき、使い方次第で役割を変えることができるのもメリットの1つです。

検索ボリュームに依存しないから、使い方次第で大幅な売上アップが可能

ディスプレイ広告のメリットは何と言ってもその爆発力にあります。
検索広告はユーザーが検索行動をした場合のみに広告が表示されるのに対し、ディスプレイ広告はユーザーがサイトを閲覧している全ての媒体に掲載できるため、上手く活用できると検索広告の何倍ものコンバージョンを獲得することができます。

広告配信の露出を検索ボリュームに左右されずに上げることができるので、費用対効果が合うのであれば検索広告の何倍ものコンバージョンを獲得できるのがディスプレイ広告の魅力なのです。

ディスプレイ広告の魅力は十分に伝わったでしょうか。
検索広告に比べて機能が豊富な上、様々なターゲティング設定が可能となり使い方次第で大きな売上アップが見込める広告だとわかったと思います。

多くのメリットがありながら、ディスプレイ広告があまり多くの広告主に使われていないのはどうしてでしょうか。
それは、今すぐに利益を出したい!売上をあげたい!というケースではディスプレイ広告のシーンではあまり利用されているケースは少ないからです。

ディスプレイ広告の2つのデメリット

次にディスプレイ広告のデメリットを確認していきましょう。大きく2つのデメリットがあります。

リスティング広告と比べてコンバージョンに繋がりにくい

リスティング広告は、ユーザーが能動的に入力した検索キーワードに応じて検索結果ページに表示される広告です。そのため商品やサービスの購入を検討している顕在層にピンポイントでアプローチできるので、コンバージョンに繋がりやすいという特徴があります。

一方でディスプレイ広告は、Webサイトやアプリのコンテンツ内に表示されるため、多くのインプレッションを獲得することができます。ただし、ユーザーの主な目的はコンテンツの閲覧であり、商品購入の意思や具体的な悩みが顕在化していない潜在層にアプローチすることになります。

そのためコンバージョンに繋がりにくい面があります。ディスプレイ広告には、このような特性があるため無料サンプルの提供や資料請求のような、ユーザーにとってハードルの低いオファーが効果的です。

PDCAを回しづらい

ディスプレイ広告は、リスティング広告と比較して効果測定が複雑です。 これは、多様なクリエイティブ要素や詳細なターゲティングオプションが存在するためです。

ディスプレイ広告の特徴や機能を理解するだけでは、まだ上手に活用できるというレベルには到達できません。ディスプレイ広告の本質を理解し、トライ&エラーを繰り返しながら、メリットを活かした運用ができるようにしていきましょう。

ディスプレイ広告が有効なビジネスやシーンは?

何度も「上手く活用できれば」とお伝えしているディスプレイ広告ですが、どのようなシーンで活用すれば効果的なのでしょうか。

多くの中小企業では、ディスプレイ広告の特徴ばかりに注意が向き、ディスプレイ広告の本質を理解せずに使っているケースが多く見受けられます。
潜在層向けの広告であることから、ただ使っても上手く行くケースは少ないのです。しっかりディスプレイ広告が有効になるシーンやケースを理解して利用していきましょう。

無料お試しなどの2ステップマーケティングを利用するケース

ディスプレイ広告は、基本的に顕在層ではなく潜在層の顧客が対象になるので「有料商品の販売」には不向きです。

いくらクリック単価が安くても「今求めていないユーザー」に有料商品を買ってもらうのは難易度が高いのです。

しかし、無料お試しや資料請求などのお金がかからないものや、初回割引などのお得感があるものには有効です。

道端で普段お金がかかるような商品が無料で配られていたら思わずもらってしまう方も多いはず。
それと同じ原理で、何気なくWebサイトを閲覧していた際に広告が目に入り、想定以上の魅力があれば見込み客もアクションしてくれるのです。

無料お試しの獲得に広告費がかかるので黒字化は数カ月後になるリスクはありますが、2ステップマーケティングとディスプレイ広告はとても相性がよいです。

※2ステップマーケティング
=無料お試しや資料請求などの見込みリストを獲得してから有料商品に引き上げていくマーケティング手法

期間限定のキャンペーンを実施するケース

期間限定のキャンペーンを実施する際にもディスプレイ広告の活用は有効です。
期間限定のキャンペーンにはおおむね目標の販売件数が決められていると思いますが、広告費用を投下すればその分売れるというわけではありません。

特に検索広告の場合は、検索ボリューム以上に販売件数を伸ばすことはできないからです。
そのため、短期的なキャンペーンで目標販売数などが決まっていると検索広告だけでは必要なアクセス数が確保できないというケースも多いのです。

目標件数に対して、検索広告では足りないというときこそディスプレイ広告は効果的です!期間限定キャンペーンなどの特異性のある企画の場合、「今しか手に入らない」という理由等で、潜在顧客だったとしてもアクションしてくれる可能性が高いためです。

検索ボリューム少ないビジネスor検索ニーズがないケース

最後に、検索ニーズが少ないジャンルの商品やビジネスを扱っているケースでもディスプレイ広告は有効的です。

ニッチな商材を扱っている場合、そもそも殆ど検索されないというケースはありますよね。
検索広告を設定したものの「検索ボリュームが少ない」と表示されていて、クリックが集まらない。このようなケースでは検索広告ではなくディスプレイ広告が効果的です。

検索広告が有効ではないのであれば、必然的にディスプレイ広告を含めた他の広告に展開するしかありません。
検索広告が有効ではないビジネスで広告を開始する際の1つの打開策として捉えておくと良いでしょう。

補足:リマーケティング広告のみは例外で可能な限り使う

ディスプレイ広告は、潜在顧客にPRする広告とお伝えしてきましたが、リマーケティング広告のみはそのターゲティングの特性上、違う目的で利用することが可能です。

検索広告をメインにして、検索広告で取りこぼした顧客を追尾する目的としてリマーケティング広告を利用するケースは多いです。一度サイトに訪れた顧客のみをディスプレイで追いかける広告として検索広告をメイン、リマーケティング広告を補助的な広告として使うのであれば、多くの業種やビジネスシーンで有効になります。

この場合は、広告の役割は目的自体を変え「認知層の獲得」から「取り逃した顕在層」の追跡という役割に切り替えましょう。リマーケティング広告自体の獲得件数を伸ばすには、メインである検索広告の広告量を増やしていくことがポイントとなります。

ディスプレイ広告は、潜在層向けの広告なので「今すぐ悩みを解決したい層向けではない」というのがポイントです。無料お試しや、期間限定の特別キャンペーンなど、見込み客が「今すぐ申込まなければいけない理由」を感じてくれるプロダクトであれば有効になるケースが多いと言えます。

逆に限定性がなく、価格や内容も他社と遜色がないものであれば、ディスプレイ広告を見るユーザーは「今すぐ解決したい」とも思っていないため、商品比較も起こらずクリックしても購入検討まで進まずに有効にならない場合も多いのです。

ディスプレイ広告の注意点

それでは、ディスプレイ広告の注意点をお伝えしていきます。 有効ではないケースを知っておけば、事前にディスプレイ広告での失敗を回避できるでしょう。

広告クリエイティブで成否が大きく左右される

ディスプレイ広告を扱う上で、最も注意しなければならない点は「広告クリエイティブ」です。
検索広告のように「課題解決方法を探しているユーザー」が対象ではなく、コンテンツを閲覧中のユーザーに広告を表示するのがディスプレイ広告です。

そのため、ユーザーに求められていない広告はユーザーの情報収集の利便性を妨げる広告に成り得る可能性があり、クリック率が低い広告クリエイティブは積極的に広告配信がされないという仕組みになっています。

ディスプレイ広告は、ターゲティングの豊富さに目が行きがちですが、クリック率の高い広告クリエイティブを作れるかどうかがパフォーマンスの成否を握っています。

敷居の低いオファーを用意できない場合は無理に利用しない

次の注意点として、利用できるシーンは限られているという点です。
上述したように敷居の低いオファーや期間限定キャンペーンなどの希少性が高いオファーの場合は有効ですが、それ以外のケースでは費用対効果が合わないケースが多いです。

今すぐ課題解決を求めているユーザー向けではないため、いつでも買える商品はコンテンツ閲覧中に購入する動機が弱くなり、クリックされるけれどレスポンスが取れないケースが多いです。

クリック単価の安さに惹かれて使ってみても、一定の条件を満たしていないと成功に導くことは難しいでしょう。高額商品や希少性が無い商品を販売するケースは無理に使わないというのも注意するべきポイントの一つです。

利益の回収は後、リード獲得として割り切る

3つ目に、2ステップマーケティングに対する注意です。
ディスプレイ広告の場合は、無料お試しや資料請求の獲得をするケースでは有効であるとお伝えしましたが、その特性上、すぐに利益を回収するのは困難です。

あくまで無料お試しやリード獲得に向いている広告なので、リード獲得⇒リストマーケティング⇒有料商品の販売といった流れになるケースが多く、初月から利益を出したい場合には不向きになります。

リード獲得に向いている広告として割り切って、獲得したリードに対してしっかりセールスをかけて利益の回収を行いましょう。 ディスプレイ広告を使って、初月から広告費以上の売上をあげられるケースも稀にはありますが、多くの企業様はリード獲得のための広告と割り切って使っているケースが多いです。

検索広告をメイン、ディスプレイ広告は補完役に使う

最後の注意点として、ディスプレイ広告を実施する前にしっかりと検索広告をやり切るということです。

検索ボリュームが少ないケースにも有効だとはお伝えしましたが、検索広告よりも難易度が高い広告のため、成功させるにはそれ相応のテクニックが必要です。

検索広告は「課題解決方法を探しているユーザー」がいる市場ですので、取り逃しているキーワードはないか、他に狙えるキーワードはないか等しっかり検証してから、ディスプレイ広告の導入を検討しましょう。

検索広告をメインとして使い、補完的な役割としてリマーケティング広告のみといった限定的な使い方も効果的です!

検索広告での広告文テストや、マーケティングデータはディスプレイ広告の掲載にも役立つものが多いので、検索広告である程度経験を積んでからディスプレイ広告にチャレンジできるとより失敗確率を減らすことができるでしょう。

ディスプレイ広告に本格的に取り組むための3つのステップ

では最後に、「ディスプレイ広告に本格的に取組みたい」という方に、ディスプレイ広告導入の3つのステップをお伝えいたします。 利用シーンが限られるからこそ、これからお伝えする3つのステップを省略すると著しく成功確率が下がるので注意してくださいね!

STEP1 検索広告をしっかりやり切ろう

検索広告を攻略しない状態でディスプレイ広告にチャレンジすると著しく成功確率が下がります。
なぜなら、一定の知識と経験が無いとディスプレイ広告のターゲティングの原理や仕組みを理解できずに間違った設定や配信をしてしまう可能性があるからです。

ある程度、検索広告でリスティング広告の管理画面や仕組みに慣れてからディスプレイ広告に取組むことをおすすめします。

まだ「検索広告を上手く活用できていない」という状態で、ディスプレイ広告にチャレンジしても上手く行かないので、まずは検索広告をしっかりと活用できるように検索広告の運用をやり切りましょう。

STEP2 敷居の低いオファーを用意しよう

検索広告をやり切ったら、いよいよディスプレイ広告にチャレンジするか検討を始めます。

何度もお伝えしていますが、ディスプレイ広告の攻略には敷居の低いオファーが必要です。
相手はコンテンツを閲覧している「潜在顧客」が対象になるので、普通の有料商品などに興味を惹けたとしても申込みまで取るのは難易度が高くなります。

無料メルマガ、無料お試し、初回大幅割引、資料請求、無料セミナーなど、あなたのビジネスにおける最もリスクが少なく、深く検討せずに申込みができる、気の張らないオファーを検討しましょう。

もちろん、無料のリードを獲得するだけでは有料商品の購入に引き上がらないので、無料のリードを獲得した後のセールスフローやマーケティングプランも合わせて構築する必要があります。

STEP3 ターゲティングやクリエイティブを回す体制を構築しよう

無料オファーのディスプレイ広告を初めても、クリック率の高い広告クリエイティブを設定しない限りディスプレイ広告は積極的に広告配信がされません。

クリック率の低い広告クリエイティブは、ユーザーに求められていないという評価になるからです。検索広告のように検索した際に広告が表示されるわけではなく、コンテンツ閲覧時に「求めてもいないのに表示される」というディスプレイ広告の特性上、広告クリエイティブのクリック率はおおいにパフォーマンスに影響するのです。

1つ2つ作る程度では、高クリック率の広告クリエイティブは構築できないので、代理店に依頼するや広告クリエイティブ担当を社内で用意するなどして高頻度で広告クリエイティブを検証、改善していく体制が必要になります。

ディスプレイ広告は検索広告に比べても魅力的な機能が豊富です。
しかし、活用できるケースは思ったほど多くはなく、しっかりとした事前準備を経て段階的にチャレンジしていく必要があります。

リスティング広告を始めたばかり、検索広告が上手く行っていないという段階で積極的に使う広告ではないため、仮に利用する場合は代理店や経験者などのサポートを付けて実践することをおすすめします。

上手く活用できた際には大きな売上アップが見込めるのもディスプレイ広告です。検索広告やビジネスが上手く軌道に乗り始めたらぜひチャレンジしてみると良いでしょう。

企業のディスプレイ広告活用事例

実際にディスプレイ広告を活用して成果改善に繋げた事例を2つ紹介します。

ディップ株式会社

アルバイト・パートの求人サイト「バイトル」を運営するディップ株式会社。

同社は自社アプリ「バイトル」の広告を、ディスプレイ広告(運用型)を活用して配信。ターゲティングの拡張、自動入札の導入、クリエイティブの最適化などの施策により、インストール数を150%に、顧客獲得単価(CPA)を約50%にしました。

引用元:LINEヤフー for Business

株式会社SmartHR

人事・労務業務の効率化やタレントマネジメントを推進するクラウド人事労務ソフトを提供している株式会社SmartHR。

同社は自社サービスの認知度拡大を目的に、Yahoo!ディスプレイ広告(運用型)の動画広告を活用しました。認知拡大に有効なインパクトのある動画広告を活用した結果、指名検索流入数が他広告媒体の約2倍に急増しました。

引用元:LINEヤフー for Business

間違った認識で利用しないために

ディスプレイ広告は、潜在顧客に安いクリック単価で広告を掲載できるという点から「商品認知に繋がる」という誤解が多いという特徴があります。

認知力のある広告例として、看板広告のように固定の場所に常に掲載されている、テレビ広告のように特定の番組の後にいつも流れるといった広告があります。
特定の時間や場所で繰り返し見かけるので人の記憶に残り、認知されるのです。

しかし、ディスプレイ広告の場合は、特定のサイトを狙って広告掲載したとしても、常にオークションで広告掲載される会社が入れ替わるため、テレビ広告や看板広告のような認知力は殆ど見込めないのが現状です。

安いクリック単価で大量のアクセスが集まることは事実メリットとしてありますが、何かしらのレスポンスを取らないと上手くビジネスに結びつかない広告とも言えます。

本記事の内容を参考にしていただき、正しくディスプレイ広告を活用できるように取組んでみてください。

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長橋真吾 記事一覧

デジタルアスリート株式会社 代表取締役社長
1984年長野県生まれ。日本体育大学を卒業後、情報通信系商社に入社。その後ネット集客支援サービスを手がけるWebコンサルティング会社に入社。リスティング広告のノウハウを学ぶ。
2011年に株式会社リスティングプラス(現・デジタルアスリート株式会社)を設立し、代表取締役社長に就任。
中小企業を対象にコンサルティング会員は累計3,000名超え、年間100社以上の企業のWeb集客を支援する。

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