Instagram広告のターゲティングって何がある?種類と効果、注意点まで解説

  • 2019.1.28
  • 2023.3.30
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アクティブユーザーが年々増加傾向にあるInstagramですが、皆さんは狙ったターゲットにしっかりと配信できていますか?

Instagram広告では、ユーザーの情報(年齢、性別、地域等)や興味関心、行動などの情報を利用して、広告配信のターゲットとなるユーザーの条件を設定することが可能です。

このユーザー情報について、Instagramではアカウント作成時に生年月日を入れるため、年齢情報についてはユーザーが自分で入力した情報となっています。
また、Facebookアカウントと連携している場合は、Facebookのプロフィールで登録した情報も加味されています。

Instagram・Facebookは上記のように「自分で入力した情報」と「普段の行動傾向」を組み合わせてターゲティングできるため、その情報精度が非常に高いことが広告媒体としての魅力のひとつです。

Instagram広告で成果を出すには、適切なターゲットに適した配信をすることが非常に大切です。今回はInstagram広告におけるターゲティングの種類の解説と、使い方、事例を踏まえたおすすめのターゲティング設定まで全て解説していきます。

ターゲティング設定に悩んでいる方も、この記事をお読み頂ければどういった設定をすると良さそうかをイメージできるようになりますし、実際のターゲティング例も紹介しますので是非参考にしてください。

※Facebook広告の配信先のひとつにInstagramの面があるという構造になっているため、この記事で解説しているキャプチャー画像はFacebook広告の管理画面となっています。

Instagram広告のターゲティングが重要な理由

Instagram広告に限った話ではありませんが、Web広告を出稿する際にはターゲティングが成果に大きく影響を与えます。

適切なターゲティングが行えていれば、ターゲットに対して効率よく広告が出稿でき、高い費用対効果が期待できます。反対に、適切なターゲティングが行えていない場合は、興味関心のないユーザーにも広告が配信され、余計なコストがかかります。

このように、自社の商品やサービスに興味を持ちそうなユーザーに絞って広告の配信をし、高い費用対効果を望むのであれば、ターゲティングの精度を高めることが欠かせません

Instagram広告のターゲティングの特徴

Facebook広告のシステムを使用

InstagramとFacebookは、どちらもMeta社(旧:フェイスブック社)のサービスです。Instagram広告を出稿する際には、Facebook広告のシステムを使用します。

Facebookは実名登録制のため、職業や住所、独身や結婚といったプライベートな情報を登録しているユーザーが多くいます。よって、収集したデータの信憑性が高く、他のSNSと比べても非常に精度の高いターゲティングが可能です。

興味関心と属性データによるターゲティングが可能

Instagramでは「興味関心データ」と「属性データ」を活用し、詳細なターゲティングが可能です。Facebookのデータを合わせて、興味関心や属性データを使用することで、細かいセグメントでのターゲティングが行えます。

ターゲティングの種類は大きく3種類

Instagram広告には大きく分けて3種類のターゲティングがあり、精度も非常に高いものになっています。

・コアオーディエンス:  →年齢、興味・関心、地域などの条件で指定
・カスタムオーディエンス:  →オンラインまたはオフラインで、すでにアクションを実行した利用者を指定
・類似オーディエンス:  →優良顧客と共通の興味・関心を持つ利用者

それぞれのターゲティング設定の強みや特徴を見ていきましょう。

コアオーディエンス

Facebook/Instagramにある情報を元に、ターゲットを細かく指定することが可能です。

・位置情報
・利用者層データ
・興味関心
・行動
・つながり

それぞれ詳細を解説します。

位置情報

国/都道府県
市区町村住所
エリア指定任意の場所をピンで指定し、そこからの範囲を設定
※指定場所から半径1km~80kmの範囲まで指定可能

国については、国のみの指定(例えば日本のみ)も可能ですし、国を選んだ上で都道府県を指定することも可能です。
エリアの指定を行ったら、次に選択した地域にいる人の状況を以下から選択します。

「この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人」
「この地域に住んでいる人」
「最近この地域にいた人」
「この地域を旅行中の人」

デフォルトでは「この地域に住んでいる人、または最近この地域にいた人」となっており、旅行などで一時的に訪れている人もターゲットに含まれる設定になっているので注意してください。
生活圏内にいる人をターゲットとするならば「この地域に住んでいる人」を選択する必要があります。

また、地域設定の使い方として、指定地域を除外して配信することもできます。
例えば日本全国対象だが沖縄のみ対象外、という条件の場合は、46都道府県を指定するよりも、日本から沖縄除外という設定の方が設定漏れも起こりにくくシンプルでお勧めです。

利用者層データ

利用者層データとして設定できる項目は複数ありますが、「年齢」「性別」についてはどんな配信をする際にも必ず設定する項目です。

年齢13歳~65歳以上
性別男性・女性・全て

Instagramでは、2019年12月からアカウントの登録時に生年月日の入力が求められるようになりました。2019年12月以前にInstagramアカウントを作成し、その後生年月日の登録を行っていないユーザーの場合は、生年月日の登録情報がありません。
その場合はユーザーがInstagramでフォローしているアカウント情報等を元に、年齢が予想され、配信されます。

注意点として、例えば「40歳以上」にターゲットを絞っても、30代後半にも配信されてしまうこともあります。多少の誤差が生じてしまうことも考えて、年齢を設定するようにしましょう。

年齢性別の他に、利用者層データとしては以下があります。

学歴高校生、高卒、大学生、大卒など修士号までの学歴
および大学の在籍期間の指定(2018~2022など)が可能
※大学名の指定も可能だが、設定できる大学名が限られている
ファイナンス世帯収入の上位何%かを選択可能。
※ただし米国データなので日本指定の場合の精度は不明
ライフイベント婚約、就職、転職、転居、記念日、誕生月など
子供がいる人子供の年齢別に指定可能(例:幼児の子供がいる人)
交際独身、既婚、交際中、離婚など
仕事業界、勤務先や役職(勤務先・役職は指定できないもの多し)

細かく指定できるようにも見えますが、これらは元々Facebookのプロフィールデータをベースとしているため、Instagramのみを利用しているユーザーの場合はそこまで細かい情報がなく、ターゲティングできない場合もあります。

興味・関心

ユーザーが普段どんな投稿を見ているか、いいねしているか等の情報を元に、どんなジャンルに興味があるかを推定してターゲティングします。カテゴリとしては以下9つです。

・スポーツ・アウトドア
・テクノロジー
・ビジネス・業界
・フィットネス・ウェルネス
・レジャー施設
・家族と交際関係
・買い物・ファッション
・趣味・アクティビティ
・食品・飲料品

カテゴリ分けとしては上記ですが、非常に細かい項目が存在しており、また常にその項目はアップデートされています。

面白いターゲティングとしては、漫画やアニメのタイトルや、芸能人やアイドルの名前等が挙げられます。数え切れないほど項目が存在するため、設定の際に試しに検索してみてヒットするかどうかをチェックしてみることをお勧めします。
探し方としては簡単で、検索窓にキーワードを入力するだけです。

これで目当ての項目が出てきたら選択し、出てこない場合は他のキーワードで検索を試みましょう。

日本語で検索しても出てこないけれど、英語で検索すると出てくるという場合もあるため、検索して出てこないから諦めるのではなく英語での検索もチャレンジしておきましょう。

例えば「スキンケア」で検索すると、このように「一致する結果はありません」と表示されます。

しかし「Skin」で検索すると、候補に「Skin care」がヒットします。

色々と工夫しながら項目を探してみてください。

行動

行動カテゴリで用意されているのは以下の10種類です。

・Soccer
・その他のカテゴリ
・デジタルアクティビティ
・モバイルデバイスユーザー
・モバイルデバイスユーザー/デバイスの使用期間
・旅行
・海外駐在者
・消費者の分類
・記念日
・購入行動

ユーザーの行動データや電子機器の利用状況を元にターゲティングが出来ます。
非常に限定的なカテゴリが多く、活用できるシーンはあまりないのですが、中でも英語関連の商品を広告する際のターゲティングに「旅行」カテゴリはよく利用されています。

「拡大」の設定について

詳細ターゲット設定の箇所に、「詳細ターゲットの拡大」というチェックボックスがあります。

表示されている説明の通り、パフォーマンスの向上が見込めそうな場合に、指定した興味関心の設定よりも広い範囲のユーザーに広告を配信しても良いかどうかを指定することが出来ます。

基本的にはチェックを入れる、つまり拡大を許可する設定を推奨します。
Instagram広告では学習機能が高いため、見込みがあると判断した場合にリーチを伸ばしてくれる設定の方が、運用者が手動でターゲティングを追加していくよりも効率的だからです。
Instagram広告の公式からも、拡大を有効にすることが推奨されています。

カスタムオーディエンス

カスタムオーディエンスはオンラインまたはオフラインで、すでにアクションを実行した利用者を指定することが出来るものです。

アクションというのは、サイトへのアクセスや購入行動を指します。
いわゆる「リマーケティング(リターゲティング)」広告を実施する際は、「サイトにアクセスした人」という設定でカスタムオーディエンスを作成し、利用します。

これを実施するにはFacebookピクセルを利用する必要があります。
他にも、過去に獲得しているユーザーリスト(メールアドレス等)を管理画面にアップロードし、そのユーザーに絞って広告を配信したり、反対に配信対象から除外することも可能です。

Facebookピクセルについての解説記事はこちら
 

類似オーディエンス

類似オーディエンスは、既存の顧客と共通の特徴を持つ新しい利用者にリーチできる非常に有力なターゲティングです。Facebook広告およびInstagram広告において、類似オーディエンスは非常に効果的なターゲティングです。

類似オーディエンスでは、カスタムオーディエンスを元に、そのデータと類似するユーザーをターゲティングできます。つまり、既存顧客に親しい属性のユーザーに広告を配信するので、見込みの高いユーザーに効果的に配信できるターゲティングなのです。

類似オーディエンスの活用例としては以下の通りです。
・コンバージョンしたユーザーの類似オーディエンス(Facebookピクセル利用)
・リマーケティングの類似オーディエンス(Facebookピクセル利用)
・顧客リストデータ(メールアドレス等)の類似オーディエンス

類似オーディエンスのサイズは1%から10%まで選択することができ、1%が元となるユーザーに一番近い層になります。

1%で広告のパフォーマンスが高くない場合、その類似オーディエンス自体に見込み客が少ないことが予想されます。これは類似オーディエンスのベースとしたオーディエンスデータが少なすぎるという理由や、情報が古すぎるなどの理由が考えられます。

活用方法としては、類似オーディエンス1%から配信を行い、パフォーマンスが良く更に拡大していきたいという段階になったら3%、5%と拡張していく手順をおすすめします。

初めてのInstagram広告:おすすめの配信構成

初めてInstagram広告を実施する場合におすすめの配信構成をご紹介します。
初期の配信構成としては、キャンペーン予算最適化の機能を利用した上で、見込みの高そうなターゲティングを2~3種類設定するとよいでしょう。

・コアに近いと考えられる興味関心ターゲティング①
・コアに近いと考えられる興味関心ターゲティング②
・既存顧客の類似1%オーディエンス(既存顧客リストがあれば)

それぞれ簡単にご説明します。

キャンペーン予算最適化についてはこちらで詳細を解説しています。

コアに近いと考えられる興味関心ターゲティング①&②

まずは「コアに近いと考えられる興味関心ターゲティング」を2種類程度準備します。

使用できる広告費に応じて、2つではなく3つや4つに増やす場合もあるので、予算とテストしたいターゲティング案に応じて決定すると良いでしょう。

興味関心ターゲティングについては、リスティング広告で言うところの「コアキーワード」のように、よりターゲットユーザーに近そうなターゲティングからテストするイメージです。

例えば英会話教材の広告であれば、「英会話」や「英語」ターゲティングが「コアに近い」というイメージです。

既存顧客の類似1%オーディエンス(既存顧客リストがあれば)

次に、自社で保有している顧客リストが300以上ある場合は、類似オーディエンスを活用して「類似1%オーディエンス」も初期配信に加えましょう

これはもともと自社の顧客であるユーザーの属性と近い属性のユーザーをターゲティングできる方法で、とても有力なものです。

コアオーディエンス、類似オーディエンスの詳細についてはこの後の章で解説していきます。

おすすめ配信構成(基本)

上記を踏まえると、

・コアに近いと考えられる興味関心ターゲティング①
・コアに近いと考えられる興味関心ターゲティング②
・既存顧客の類似1%オーディエンス(既存顧客リストがあれば)

これがおすすめの配信構成です。

プロも使用するおすすめ興味関心ターゲティングを5つ紹介

実際にFacebook広告(Instagram広告)を配信する際に使用するターゲティングの事例をご紹介します。

このまま使用しても良いですが、広告配信したいターゲット像とマッチしているかどうかを考慮してから活用するようにしてみてください。

◆ターゲティング例1

想定ターゲットSNS利用ユーザー、情報感度高いユーザー
興味関心項目Facebook、Instagram、Tik Tok、Twitter、YouTube、ソーシャルメディア

◆ターゲティング例2

想定ターゲット一定の収入があり、百貨店で買い物をするユーザー
興味関心項目そごう、ロッテ百貨店、伊勢丹、高島屋、三越、百貨店、西武百貨店、大丸

◆ターゲティング例3

想定ターゲット子育て段階のユーザー
興味関心項目子育て 乳児、KIDS/キッズ、保育、出産、育児休業、子供服、幼児の子どもがいる人(1~2歳)、子どもがいる人(3~5歳)、母親、幼稚園

◆ターゲティング例4

想定ターゲット節約や副業に興味のあるユーザー
興味関心項目お金、割引、節約、貯金箱、預金、クーポン、宝くじ、ディスカウントストア、懸賞、収入、富

◆ターゲティング例5

想定ターゲット化粧品に興味があるユーザー
興味関心項目柔軟化粧水、ローション、パック、ファンデーション、マスカラ、リップクリーム、リップグロス、口紅、アイシャドー、アイライン、コンシーラー

「想定ターゲット」とあるように、必ず「どんなユーザーを狙いたいのか」を考えた上で、そのユーザーが興味を持っているコンテンツが何かという考え方で興味関心項目を設定することが重要です。

また、広く一般的なユーザーが利用する可能性のある商品であれば、興味関心を設定しないブロード配信(デモグラ配信とも呼ばれる、年齢と性別のみを指定した広いターゲティング)を試すのもおすすめです。

細かすぎるターゲティングがおすすめできない理由

機能的に細かくターゲティングができるので、ついそのように設定したくなってしまいます。

例えば「22歳から25歳の男女、フリーランスに興味があり、東京都在住」というような設定です。もちろん実施すること自体は可能なのですが、あまりターゲットを狭めすぎるのはおすすめしません。 理由は以下の2つです。

CPC・CPMが高騰する可能性がある

配信対象が少なくなれば、他社との入札競争が激化し、CPMが高騰する可能性があります。CPMが高騰すると、クリック率が高くてもCPCが高額になってしまいます。

過去最も高いCPMとして1万円を超えたことがあり、そうなるとクリック率が1%あったとしてもCPCが1,000円以上となってしまいます。

CPMはターゲットの広さだけで決まるわけではありませんが、狭すぎるターゲティングはCPM高騰の一因となりますので、パフォーマンス改善のためにもある程度広めにターゲティングすることを推奨します。

自動最適化機能の精度が落ちる

広告では配信状況を元に、Facebook/Instagram側がどのユーザーに配信するのが最適か学習し、配信をしてくれる機能があります。

しかし配信先のボリュームが小さければ、それに比例して判断材料となる母数も減ってしまいます。 結果、学習が進まず自動最適化機能の精度が落ちるという事が考えられます。

これら2つの理由から、最初の段階でターゲットを狭め過ぎないようにしましょう。 目安として、広告セット内にターゲティングの設定内容について、オーディエンスの広さをプレビューする機能があります。 「狭い」という判定になっていなければひとまず問題ないので、これを指標にしてみてください。

まとめ

InstagramというSNSは、趣味の情報を収集するために利用しているユーザーが多く、興味関心ターゲティングの精度も非常に高く有効です。

Facebookとのアカウント連携や、FacebookアカウントをベースにInstagramアカウントを作成しているユーザーはFacebookの個人データも活用できるため、具体的かつ精度の高いターゲティングが可能となっています。

興味関心で設定できる項目が非常に多いのですが、ターゲットとなるペルソナをしっかり設定した上で興味関心を設定していくことが重要です。

どんな人に向けて広告を配信したいのか、を考えてターゲティングできるようにしましょう。

・興味関心ターゲティング
・類似オーディエンス
・カスタムオーディエンス
を上手く組み合わせて、自社に最適なターゲティング構成を見つけてみてください。

Facebook広告(Instagram広告)の基本運用とターゲティングについてはこちらから

ターゲティング以外の要素を含めたInstagram広告の成功事例はこちらから

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