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2019年に民間の調査会社が行った調査によると、2018年度のインターネット広告国内市場規模は約1.6兆円にまで上るそうです。また同調査では、2020年度には2兆円を超え、2028年には2.8兆円にまで上ることが予測されています。このインターネット広告市場規模拡大の背景には、スマートフォンの普及率の上昇があります。
少し古いデータですが、2019年2月の時点でスマートフォンの普及率は全年代で85.1%にまで達しています。6年前の2013年2月時点での普及率が40%弱だったので、およそ2倍にまで上昇しています。スマートフォンの普及が意味するところは、一人ひとりがウェブ上のメディアと持つ接点の増加です。近年台頭してきたSNSだけ取り上げてもその数は枚挙にいとまがありません。
インターネット広告とは、Web上でユーザーにアプローチする広告です。インターネット上のメディアにほとんどの人が毎日接する今日、インターネット広告が持つユーザーへの影響力は大きいです。そして、その影響力は上の調査が示唆している通り、今後も増大の一途をたどることが見込まれています。
本日はそんなインターネット広告の仕組みとメリットを分かりやすく解説していきます。
目次
ネット広告(Web広告)とは?
ネット広告は商品やサービスを多くの人に知ってもらうための手段です。現代では特に、インターネットを利用した広告が注目されています。
インターネット広告はGoogle、Yahoo!、Facebookなどの媒体上で広告を出稿することが可能で、その目的は様々です。商品やサービスの認知度を上げることから、売上拡大、ブランディングなど、広告の目的に応じて適した媒体や配信面を選びます。
広告の世界は深く、また広大ですが、経験や知識があれば各々の目的に応じた最適な戦略を描くことが可能になります。この記事を通じて、インターネット広告の基本的な知識を得て、効果的な戦略を立ててみてください。
ネット広告(Web広告)とマス広告
ネット広告は、インターネット広告の略称です。インターネット広告とは、Webサイトやメールを介して配信される広告のことです。
「ネット広告」の他に、「Web広告」や「オンライン広告」、「インターネット広告」と呼ばれることもあります。様々な呼び方がありますが、中身は同じです。
一方でマス広告とは、「新聞」、「雑誌」、「テレビ」と「ラジオ」を介して配信される広告です。
分かりやすいのはテレビを介して配信されている「CM」でしょう。番組の放送時間の合間に15秒から30秒ほど流れるCMは、不特定多数の消費者にアプローチするマス広告の一種です。
CMを見てわかる通りマス広告の特徴は、不特定多数の消費者に広告を配信できるという点です。ネット広告とマス広告はこの点で大きく異なります。
ネット広告は、マス広告とは対照的に特定の比較的少数の消費者に限定的に広告を配信します。
つまり、ある一部の消費者にターゲットを絞って広告が配信されます。従って、配信した広告がユーザーにどのような行動を促したかを簡単に計測することが出来ます。
そして、そのデータを使って以降より効率的に広告を配信することが出来ます。
これがネット広告の特徴であると同時に強みでもあります。
マス広告の弱点を克服した「Web広告」
マス広告は、新聞や雑誌、テレビなどのメディアを通じて多くの層にアプローチしました。しかし、その広範かつ一方向的な性質は、企業が求める高いターゲティングの精度と効果測定の明確さを欠いていました。
これに対し、Web広告はインターネットというプラットフォームを活用して、これらの欠点を克服しています。
Web広告の最も大きな特徴は、緻密なターゲティングです。潜在顧客の属性や行動データに基づき、関連性の高いユーザーにのみ広告を配信し、効果を最大限に引き出すことができます。
これにより、例えば特定の商品やサービスに関心がある消費者群に対して、ニーズに合わせた広告をピンポイントで届けることが可能です。
また、Web広告は効果を精度良く測定できる点でもマス広告を凌ぎます。リアルタイムで詳細な分析データに基づく効果測定は、広告主に有益な情報を提供します。クリック数、コンバージョン率、滞在時間など、ユーザーの反応を具体的な数字で把握し、改善のためのデータとして活用できます。
これらWeb広告独自のメリットは、限られた視聴者へのリーチや反応測定が難しいマス広告の問題を解決し、効率的かつ効果的なデジタルマーケティングを実現します。
したがって、マーケティング担当者や広告代理店のスタッフは、競争が激しい市場の中で、適切なWeb広告戦略を策定し、その潜在性を最大限に活かすことが必須になります。
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ネット広告(Web広告)の種類
ネット広告には、「リスティング広告」や「ディスプレイ広告」、「アフィリエイト広告」や「SNS広告」など様々な種類があります。
その中から今回は、代表的なネット広告を紹介します。
リスティング広告
Google検索をするときに、下記のような検索結果を見たことはないでしょうか。
リスティング広告とは、ユーザーがGoogleやYahoo!などの検索エンジンでキーワードを検索した時そのキーワードに応じて表示される広告です。 そのため「検索連動型広告」とも呼ばれています。
このリスティング広告の特徴は、ユーザーが表示された広告をクリックしない限りコストが生じないという点にあります。 ユーザーがあるキーワードを検索した時、そのキーワードに対する入札が行われます。
例えば、「ネット広告」が検索されたとき、広告を配信したいA社は¥500円入札します。一方で、同じように広告を配信したいB社は¥1,000で入札します。 この場合、B社がより高い金額を入札したため、B社の広告が配信されます。
実際はもう少し複雑なのですが、基本的な仕組みは同じです。そこで広告を配信出来て初めてコストが生じます。
リスティング広告のメリットは、指定したキーワードにある程度興味関心を持った人(見込み顧客や潜在顧客)にのみアプローチできるという点にあります。
一方でデメリットとしては、入札するキーワードが適切でないと、不必要にコストが生じてしまうという点にあります。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告とは、各広告媒体が提携しているWebサイトに表示される広告です。
リスティング広告がテキストのみの広告しか配信できないのに対して、ディスプレイ広告はテキストと画像両方の広告を配信することが出来ます。 また、検索エンジンだけではなく、ニュースサイトやブログサービスのような日常的に消費者が訪問する場所に広告を表示させることが出来ます。
そして、リスティング広告と同様に、クリックされて初めてコストが生じます。
※インプレッション課金という表示されることでコストが発生するものもあります。
ディスプレイ広告のメリットは、大量のユーザーにアプローチできるという点にあります。 インターネット利用時間の内、ユーザーが検索に費やす時間は全体の約10%と言われています。残りの90%近くでユーザーはWebサイトの閲覧をしています。
ここにディスプレイ広告はアプローチすることが出来ます。
一方でデメリットは、大量のユーザーにアプローチするため効率よく成果を挙げることが難しく、リスティング広告より多くの費用が必要なる傾向があるという点にあります。 ターゲティングといってどのユーザーに対して広告を配信するのかを細かく設定する必要があるので、それだけ費用や時間がかかってしまう傾向にあります。
しかし、繰り返しディスプレイ配信を行う事で知識と経験を培えれば克服できるので、デメリットというよりはあくまで留意点といったほうが良いかもしれません。
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、ブログのようなWebサイトを媒体に配信される広告です。 そのWebサイト上にあるページリンクを経由して広告主のウェブページを訪問し、あるアクションをとる事で広告主にコストが発生します。
例えば、ある商品の購入をアクションとして指定していた場合、あるユーザーがその商品を購入することで初めてコストが発生します。 アフィリエイト広告のメリットは、その費用対効果の高さにあります。
アフィリエイト広告では、リスティング広告同様にある特定のアクションが起きない限りコストが発生しません。リスティング広告の場合は、その特定のアクションが「クリック」に限定されていますが、アフィリエイト広告の場合は「購入」のように瞬間的に利益が発生するアクションを指定することが出来ます。 従って、商品が購入されない限り不必要な広告費用が発生しません。
一方デメリットは、意図しないWebサイトに広告が掲載されることでその商品やサービス、ないしは企業のブランドイメージが傷つけられる恐れがあるという点にあります。
アフィリエイト広告を掲載できるWebサイトは、企業のホームページから個人のブログまで幅広いです。 誤ったWebサイトで掲載しないように気を付ける必要があります。
引用:https://www.a8.net/ec/about/
アドネットワーク広告
アドネットワーク広告は、広告を配信出来るWebサイトやSNS、ブログサイトなど複数集めて広告配信出来るネットワークのことです。一つのシステムを通じて複数の媒体にまとめて広告を配信できるため、工数の削減や業務の効率化を図ることが可能です。
この手法は、インターネットのネットワークを利用して効率的なプロモーションを展開し、ターゲットとなる消費者に直接アプローチすることができます。
特に、消費者の行動や興味・関心データを基にしたターゲティング広告は、広告のリーチを最大化し、多くの潜在顧客に企業のメッセージを届けることができます。
ターゲティングの高度化により、ユーザーのニーズに関連性の高い広告を表示できることがアドネットワーク広告の大きな利点です。これによりユーザーに価値ある情報を提供し、企業に投資対効果の高いキャンペーンを実現できます。
代表的なアドネットワーク広告のサービスとして、Googleディスプレイネットワーク、Yahoo!ディスプレイネットワーク、LINE広告ネットワーク、楽天アドネットワークなどがあります。
効果的なプロモーションを展開するためには、アドネットワーク広告のプランニングが必要です。利用可能なネットワークの選定、広告のクリエイティブ、ターゲティングの設定まで、幅広い知識と戦略が求められます。
引用:https://pages.linebiz.com/line-ads-network/
記事広告・タイアップ広告
記事広告(タイアップ広告)とは、Webメディアなどに通常の記事の同じような体裁で出向して掲載される広告のことです。
Webメディアの記事内に、「広告」「PR」「プロモーション」などを明記して読者にわかるようにする必要があります。
純広告
純広告はWeb広告の一種で、バナー広告やテキスト広告があります。サイト内の決められた枠を一定期間買い取り、テキストや画像、動画で広告を表示するものです。
純広告は、露出効果を狙って出し、その商品・サービスを知らない潜在層に対して訴えかける効果があります。
ターゲットの属性(性別や年代)やエリアなど、セグメントをして出稿をすることも可能です。時間帯を絞って表示させる広告もあります。
純広告の契約形態は、契約のクリック数を得るまで広告を表示させるタイプの「クリック保証型」、広告やページの表示回数を保証する「imp・PV保証型」、掲載期間が決まっている「期間保証型」などがあります。
純広告のメリットは掲載枠を一定期間買い取るため、一定のインプレッション(広告表示)が期待できます。その商品・サービスの認知度の低い層を含め多くの見込み顧客にリーチすることができます。
純広告のデメリットは、効果のあるなしに関わらず費用がかかり、1件あたりの成約にかかるコストの改善が図りにくいことが挙げられます。また、掲載枠の価格が高価なことが多く、それなりに予算を持っていないと利用するのは難しくなります。
SNS広告
SNS広告とは、SNSを媒体に配信される広告です。代表的な媒体は、Facebook、InstagramとX(Twitter)です。LINEやTikTokもSNS広告の媒体として注目されています。
費用が発生する仕組みは媒体ごとに異なります。例えばFacebookの場合、費用が発生する仕組みは二通りあります。
一つは、インプレッション課金と呼ばれる仕組みです。これは広告がFacebook上に1000回掲載されるたびに費用が発生する仕組みです。
もう一つは、クリック課金と呼ばれる仕組みです。これはちょうどリスティング広告と同じように、クリックされることで費用が発生するものです。 媒体ごとにどのように費用が発生するのかを把握する必要があります。
SNS広告の最大のメリットは、そのターゲティング精度の高さにあります。 SNSを利用しているユーザーは個人情報をそのSNSに登録しています。
例えば、年齢、性別や職業と言いった情報を登録しています。SNS広告を配信する際は、この個人情報を利用することが出来ます。 従って、効率よく配信したいユーザーにだけ広告を配信することが出来ます。
一方デメリットは、細かくターゲティングができるからこそ初期設定と運用が難しいという点にあります。
しかし、この点は知識やコストといったリソースを割くことで解決することが出来るので、デメリットというより留意点といったほうがいいかもしれません。
動画広告
動画広告とは、広告のうち動画のクリエイティブを用いた広告のことを指します。広義ではテレビCMや屋外広告、電車内に流れる広告なども動画広告の一つです。
しかし、狭義での動画広告は「主にWeb上で目にする動画広告」を指す場合で利用されている広告の種類を指すことが多いです。Web広告における代表的な動画広告は、動画サイトの冒頭や合間に流れる15秒〜30秒程度のものです。
Web上の動画広告は、大きく「インストリーム広告」と「アウトストリーム広告」の2つに分類されます。
■インストリーム広告
インストリーム広告とは、動画サイトユーザーが視聴したい動画本編の前後や合間に流れる動画広告のことです。テレビ番組の合間に流れるCMをイメージするとわかりやすいでしょう。
インストリーム広告の形式には「スキッパブル型」と「ノンスキッパブル型」の2つの形式があります。「スキッパブル型」は、動画広告を途中でスキップして動画本編を視聴できますが、「ノンスキッパブル型」は、動画広告を最後まで視聴しないと動画本編が視聴できません。
インストリーム広告は主に3種類あります。動画本編の再生前に流れる「プレロール広告」、動画本編を再生している合間に流れる「ミッドロール広告」、動画本編終了後に流れる「ポストロール広告」です。
インストリーム広告の特徴は、動画視聴に対して能動的なユーザーに接触でき、かつ動画本編と同じエリアで再生されるため印象に残りやすいという点が挙げられます。
■アウトストリーム広告
アウトストリーム広告とは、動画視聴サイトやアプリに表示されているバナー、SNSのフィードなど、ユーザーが再生する動画本編とは違う枠に表示される動画広告のことです。
アウトストリーム広告は主に3種類あります。記事やSNSのフィードなどコンテンツの間に表示される「インリード広告」、メディアなどのバナー広告枠に表示される「インバナー広告」、Webページ遷移の間に表示される動画広告「インターステイシャル広告」です。
アウトストリーム広告の特徴は、配信できる面が広く、様々な動機をもった見込み顧客にリーチできることです。また、SNSの動画広告などは拡散されやすく、広告費用以上の効果が期待できることもあります。
メール広告
メール広告は電子メールを活用した広告です。日常的に利用する頻度の高いメールを媒体とするため、幅広いターゲット層に対して利用できることが特徴です。
メールマガジンのヘッダーやフッターなどに広告文とリンクを掲載するタイプと、ユーザーの嗜好などを登録してもらい、それに合った広告メールを送るタイプがあります。
広告の費用体系は、配信先ユーザー数に応じて決まるものと、メール内に記載されたURLのクリック数に応じて決まるものがあります。
メール広告にはテキスト形式とHTML形式の2種類があります。
テキスト形式は、一般的なテキストのみの形式で送付されるタイプで、文章内で商品を紹介したり、文章のフッターやヘッダーに商品のURLと説明を記載したりします。
HTML形式は、HTMLと呼ばれるプログラミング言語で記述されたメールで、Webサイトと同じように画像を入れたり文字フォントを自由に変更したりできます。
ターゲティングメールと呼ばれる配信方法を選べば、年齢や性別、居住する地域などで配信対象を絞って配信することもできます。
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ネット広告(Web広告)のメリット
近年ビジネスの可能性を広げる重要な手段として、Web広告は急速に注目を集めるようになりました。この進展の背後には、Web広告が提供するマーケティングのメリットが大いに寄与しています。それでは、具体的にどのようなメリットがあるのか、ここでそれらの詳細を深く掘り下げて説明します。
細かなターゲティング設定が可能
ネット広告の特徴として、具体的なターゲティング設定が可能です。年齢、性別、趣味、居住地域、関心事などの情報を活用し、ターゲット層を細分化できるのです。
それにより、広告は必要な人に、適切なタイミングで届けられます。広告主やマーケティング担当者にとっては、この到達性の高さが広告運用や予算配分を効率化する強力な手段となります。結果として、広告効果を最大限に引き出せます。
効果的なマーケティングを行うためには、精密なターゲティング設定の理解が欠かせません。それがネット広告の力を最大限に引き出すカギと言えます。この緻密なターゲティングが、広告効果を最大化する最強の手段となるのです。
少ない広告費で始められる
ネット広告は、手軽さと経済性から注目を集めます。特に、少ない予算で開始できる点は、既存のメディアと比べ広告主にとって大きな利点です。初期投資を低く抑えながら繰り返し試行し、その結果を確認してから広告費を増やす方法もあります。
これにより、効果的な広告戦略をマーケティングの初期段階から立案することが可能です。
単価の低いネット広告を活用することは、広告費の最適化とリーチ拡大の両方を実現します。投資回収率を高めるためには、各広告手法の特性を理解し、それらを比較することが重要です。つまり、ネット広告をうまく活用するには、広告費の管理と広告効果の最大化を同時に考えることが必要です。
短期間で効果を得られる
ネット広告は成果を即時に可視化し、ビジネスの方向性の見直しを容易にします。
マーケティング担当者や広告主が自社のプロモーションにネット広告を効果的に活用したいと考えた際に、配信結果を短期間で効果を測定できるネット広告の特徴は大きなメリットになります。
結果が直ちに見えるため、現在の施策が適切に機能しているのか、または改善が必要なのかを確認し、適切な対策を速やかに策定できます。こうしたことにより、広告戦略や事業戦略全体を柔軟かつ迅速に見直し、精度を高めることができます。
効果測定により改善しやすい
ネット広告の効果測定は、具体的な数値を基にするため、どの部分が改善点であるかを見つけやすい特徴があります。効果測定に用いる指標としては、アクセス数やクリック数、コンバージョン数などがあげられます。これらは広告の効果を定量的に評価する重要な指標で、これらの数値に基づいた分析により、改善すべき部分を明確に見極めることができます。
以上の仕組みを理解し、活用することでネット広告の運用が可能となり、効果的な広告運用を実現します。具体的な数値と分析結果を元に適切に改善させる広告運用は、マーケティング戦略に欠かせない要素となります。
広告出稿中でも変更が可能
広告出稿中でも変更が可能なこともネット広告の大きな魅力です。そのためネット広告(Web広告)は運用型広告と呼ばれることがあります。
これにより、マーケティング戦略を柔軟に見直し、適時に最適な広告配信ができます。予算や配信時間の設定も、一度決めたからと言って固定しないというのが、ウェブ広告特有の強みです。
ネット広告(Web広告)のデメリット
ネット広告は多様性とターゲティングの精度から、多くのビジネスで活用されています。効果的な設定やターゲティングは広告の効果を最大化するために不可欠です。しかし、広告のメリットだけでなく、デメリットについての知識も必要です。
以下に、デメリットを記載します。
適切な広告運用をするには知識やスキルが必要になる
ネット広告の運用には広告プラットフォームの理解、データ分析の技術、クリエイティブ制作のスキルなど、様々な専門知識と技術が必要です。これらの知識や技術を身につけるとともに、その知識を常に更新していくことは、多くの時間と労力が必要になります。ネット広告の世界は日々進化し、頻繁に更新が行われているからです。そのため、これらの専門技術を持った人材を確保することも困難です。
具体的には、広告の種類の理解、運用方法の習得、広告費用の計画作成、そして広告効果の測定などのスキルを身につけることで、ネット広告の利用を最大限に活用することが可能となります。
その結果、あなたのビジネスに最適な広告戦略を展開することができます。効果的なネット広告運用は、広告主やマーケティング担当者が知識を深め、スキルを磨くことから始まります。
広告結果の分析と改善を繰り返す必要がある
ネット広告の成果を最大化するためには、広告結果の分析と改善のサイクルを継続的に行うことが必要です。
広告費の浪費を防ぎ、適切な効果を得るためには、定期的に広告結果を振り返り分析を行い、適切な改善案を作り、実行する必要があります。この一連の流れは大きな労力を必要としますが、これこそがネット広告運用の基盤であり、最終的な成果に大きな影響を与えることを理解することが大切です。
特定の広告が期待する効果を得られなかった場合でも、その原因を追究し、改善策を実施することで、次の運用に活かすことが可能です。
このような運用方法、予算の設定方法、効果測定の手段など、ネット広告についての基本的な知識を持つことで、より賢い広告運用が可能になります。
競合の状況によっては広告費が高騰する場合がある
インターネット広告の世界ではクリック単価が大きな影響を持ちます。理由は入札型広告という形式で、クリックした際に広告主が支払う単価が競合他社との競争により変動するからです。特に人気のキーワードやクリック単価の高い業種では競争率が高まり、広告費が急騰することもあります。
広告運用におけるこの現象の影響は大きく、予算設定や運用方法に知識と慎重さが求められます。適切なクリック単価を設定し、最適なターゲットに広告を配信することで広告予算内で最大の効果を得られます。ただし設定が適切でない場合、広告費が上昇し目標の成果を達成できないというリスクが生じます。
したがって、過度な競争のあるキーワードに固執するより、自社の商品やサービスに最適なキーワードを見つけることが重要です。マーケティング担当者や広告主は、広告運用におけるクリック単価の重要性を理解し、効果的な戦略を立てることが必要です。
代表的なネット広告(Web広告)用語
ネット広告について勉強していると、これまで聞いたことのないような専門用語に出会います。
そんな専門用語の中から特に重要なものを4つご紹介します。
コンバージョン(CV)
コンバージョン(conversion)とは、日本語で「変換」という意味ですが、ネット広告の分野では「最終的な成果」という意味で使われています。
ネット広告を運用するにあたってはこのコンバージョンをいかに獲得するかが一つの指標になります。 「最終的な成果」として何を設定するかは、広告で宣伝する商品・サービスよって異なります。
例えば、情報提供サイトなら「会員登録」がコンバージョンになる事があります。また、ECサイトでは、「商品購入」がコンバージョンになる事が多いです。
コンバージョン単価(CPA)
コンバージョン単価とは、費用に対して発生したコンバージョンの件数のことです。
使用した広告費を獲得したCV件数で割ることで求めることが出来ます。 コンバージョン単価=使用した広告費÷獲得したCV件数
例えば、10,000で4件のコンバージョンを獲得した場合のコンバージョン単価は、10,000÷4=2,500なので、2,500円です。 母数である獲得したコンバージョン数が大きいほど、コンバージョン単価は低くなります。
コンバージョン数、後述するインプレッションやクリック率などは高いほど成果が出ていると判断できるのですが、コンバージョン単価だけは異なります。 この点を間違えないように気を付けましょう。
インプレッション
インプレッションとは、Webサイト上に広告が表示された回数のことです。
テレビや雑誌のようなマス広告では、ユーザーに対して何回広告が配信されたのかを計測するのが難しいですが、ネット広告では簡単にその頻度を計測し、確認することが出来ます。
このインプレッションは、上述したコンバージョンやその他の重要な数値を計測するために必要不可欠な基本的な概念です。
クリック率(CTR)
クリック率とは、上述したインプレッションに対するユーザーのクリック数です。
クリック率=インプレッション÷クリック数 例えば、100回のインプレッションに対して1回のクリックが発生した場合、クリック率は1%です。
自然検索におけるユーザーのクリック率は、掲載順位が高いほど高くなる傾向があるので、ネット広告を運用する際は基本的に掲載順位を上げる事を目指します。
ネット広告(Web広告)の選び方
ネット広告を選ぶときは、広告の目的に合わせて選ぶことと、ターゲットが利用する媒体を選ぶことが重要です。
広告の目的に合わせて選ぶ
ネット広告はそれぞれ、最適なターゲット層が異なります。
認知拡大をするのであれば純広告、興味関心を高めるのであればディスプレイ広告やSNS広告、比較・検討をしているユーザーにはリスティング広告が効果的です。
広告を実施する目的は何なのかを明確にし、最適なネット広告を選びましょう。
ターゲットが利用する媒体を選ぶ
広告の目的と合わせて重要になるのが、ターゲットが利用している媒体なのか?ということです。
例えば、Instagramは若年層の約半数以上が利用していますが、60代以上の利用率は30%以下です。高齢層向けの商品・サービスをInstagram広告で訴求しても、その効果は薄いといえるでしょう。
このように、ターゲットとなるユーザーの年齢層やデジタル上の行動を把握し、効果的なメディアを検討する必要があります。
ネット広告(Web広告)予算の決め方
Web広告を初めて実施する方の相談で最も多いのは「いくら費用を掛けるべきですか?」という質問です。
広告代理店によっては「月10~50万円から」と最低出稿金額が定まっているケースがあることがあります。これは、「最低このくらいはかけなければいけない」というよりも、人的工数などの理由で最低利用料金を定めているのが実際の状況です。
リスティング広告自体には「月10万円以上」「最低100万円以上」「月50万円まで」というような費用の制限は存在しません。
どれだけの金額からでも始めることができ、広告を止めたり動かすことも自由です。「目標値が決まっているかどうか」で費用を決めることができす。
目標値が決まっている場合
目標値とは「目標値 = 目標CPA × 目標コンバージョン数」で計算できます。
この目標値は「これ位成果が出たらいいな」という期待値のことではありません。ビジネス目標や実際のLTV、過去の広告運用データなどの実データをもとに算出された根拠ある数字でなければいけません。
目標値が既に決まっているのであれば、目標値から逆算して予算を決めましょう。
目標CPAと目標CV数を掛け合わせた数字が必要予算となります。
目標値が決まっていない場合
目標値が確定していなくても、Googleが提供するキーワードプランナーを使えば、必要な予算をある程度試算することができます。
しかし、それは予測値でしかなく「実際に広告を始めてみないと、どうなるかはわからない」というのが現状です。
まずは、予算シミュレーションの正確さにこだわるよりも、以下の手順で大まかな全体像を把握し、予算を決めて動き出しましょう。
・メインキーワードのグループを決定する
・メインキーワードのクリック単価を大まかに確認する
・最低限必要な予算を算出する
これによって、全体像を把握し、予算を決めることができます。
リスティング広告は、開始前のデータよりも開始後の実データを見ながら改善することが成果を高めるために重要なポイントです。
リスティング広告の予算の決め方を詳しく知りたい方はこちら↓
ネット広告(Web広告)の注意点
ネット広告で適切な費用を使うためには、予算を決めるとともに
・撤退ライン
・予算増額の基準
・初月で広告費を使いすぎない
がポイントです。
広告の効果が不調な場合の「撤退ライン」
予算よりも優先して考えるべきなのは「撤退ライン」という広告の効果が不調な場合に対する方針です。広告の目的は、予算を使い切ることではなく、最小限の費用できちんと成果を出すことです。
運用中に目標値を大幅に下回っている状況が分かった場合は、まず広告を一時停止し、戦略を見直しましょう。
広告の効果が好調な場合の「増額の基準」
もしリスティング広告の効果が予想以上に好調だった場合、その前に「広告費の増額が可能かどうか」「増額できるならどのくらいまで可能か」を確認することも重要です。
せっかく成果が出ているのに、予算不足のために配信を最大限活用できないことは、機会損失です。
強力な競合がいつ進出してくるかも分からないので、獲得できるタイミングで一気に配信を広げられるように、準備を明確にしておきましょう。
初月で予算を使いすぎないように注意する
予算決めで最も避けるべきは、初月から確保した予算を使用しすぎないことです。
非現実的な目標を立てて配信を開始しても、思うような効果が出ません。そして、それだけではなく「Web広告は効果が悪い」というマイナスイメージがつく場合もあります。
ネット広告は、配信データの分析と改善を繰り返すことで、成果を拡大していくものです。短期的な成果だけを求めるのではなく、3ヶ月、半年、1年と中長期的な計画を立て、初月の予算を決めましょう。
まとめ
今回はネット広告について代表的なネット広告の種類を挙げながら説明しました。 インターネット利用者人口の増加に伴い、ネット広告の需要も拡大することが見込まれます。既に今日では、パルス型といった「ネットで見て瞬間的に購買意欲が刺激され購買する」といった新しい消費者の消費行動がGoogleによって提唱されています。
ネット広告は今後も多様化することが見込まれます。しかし、今回紹介したような基本的なネット広告の種類や代表的なネット広告用語についての知識は、今勉強してもこれから先も無駄になる事はないでしょう。
マスメディアについて詳しく知りたい方はこちら↓
ネット広告の代理店について詳しく知りたい方はこちら↓
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