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現代は大手企業から個人事業主にいたるまで、ありとあらゆるビジネスでWebを使った集客・宣伝が当たり前の時代となりました。
しかし、すべての企業にWebマーケティングのノウハウやリソースがあるわけではありません。また、これらは急に備えられるものでもないので、施策を進める中で社内で対応できない部分については必要に応じて外注を活用したいところです。
例えばWebマーケティング業務を一部でも外注化できれば、社内リソースを別の施策に使え、商品・サービスの改良やリピート施策などビジネスモデルの改良につながります。
ただ、Webマーケティング業務を外注をする場合、外注して成果が出やすい施策と、外注では成果を出すのが難しい施策があります。また、外注先との関わり方にも注意点があります。
これらを間違ってしまうと、外注に依頼したのに作業が進まない・期待したほどの成果が上がらないというような残念な結果になることもあるのです。
外注先を選定するときには価格やリソースなどの視点ではなく、外注すべき領域と自分たちが専念すべき領域を区別することで売上を拡大していきましょう。
この記事ではWebマーケティングの外注を活用するメリットと外注先を選定する際のポイントについてお伝えします。
目次
Webマーケティングで外注を活用するメリット・デメリット
Webマーケティングの施策は多岐にわたります。
コストの面を考えれば自社で完結できることが望ましいですが、現実問題、専門性と経験を要する施策をすべて自社で実行していくことは難しいでしょう。
Webマーケティングを実行していく上で外注の活用は、検討されると思いますので使う・使わないに限らずメリット・デメリットを把握しておくことが大切です。
メリット・デメリットを簡単にまとめると下記のようになります。
メリット | デメリット |
---|---|
■施策の実行スピードがあがる |
■外部依存が強まる |
最大のメリットは施策の実行スピードが上がること
Webマーケティングを外注化することの最大のメリットは実行スピードです。
もしスピードを意識しないのであれば、リソースに余裕がある時に少しずつ進めることもできます。
実行スピードに加えて外注することによるメリットを3つ紹介します。
専門家の技術とノウハウを活用できる
スピードが上がる要因には当然、自社には無い技術とノウハウを持っていることが含まれています。
特にWebマーケティングの領域は目的によって取るべき戦略や手段が変わるため、専門として行っている会社には簡単には勝てません。
広告代理店であれば広告運用の技術、制作会社であれば制作の技術といったようにそれぞれが培った技術とノウハウをもっています。専門家でない自分たちでやるよりも早くイメージを形にすることができるでしょう。
最新情報をキャッチアップしている
Webマーケティングの領域は媒体のアップデートやトレンドの移り変わりが年々早くなってきています。
また媒体の審査対策だけでなく、薬機法や景品表示法などの法律面も押さえておかなければ広告すら出すことができない状況になってきています。
実績や経験のある企業に外注すれば、そのような最新情報を取り入れているため自社だけでは対応できないところまでカバーしてもらえます。
採用や育成のリソースを削減できる
Webマーケティングを社内ですべて実行していくとなると、広告の運用者、サイトを運用するスタッフ、複数の施策の中からどれを実行するか決めるマーケティング担当者など複数の人材が必要になってきます。
とはいえ、経験者を簡単に採用することはできません。Webマーケティングの経験者を求める企業が多いため、競争率が高く報酬も高くなっています。採用にかける手間や時間も必要です。
また、いったん社員を採用すると簡単に解雇はできなくなります。もし、プロジェクトを終了したり大幅に戦略を変えることがあっても、その後も別部署に配置するなどして雇用し続ける必要があります。
その点、外注で必要な経験・能力がある人に依頼すれば、不必要に社員を抱える必要がなく人件費も削減できるのです。
デメリットは外部依存が強まること
一方で、外注をすることで一部分とはいえ売上に関わる部分を依頼することになるので、外注先と契約が終了した時には、自社の売上に大きな影響を及ぼすことも十分あり得ます。
Webマーケティングを外注することで考えられるデメリットを3つ紹介します。
自社にノウハウが溜まりづらい
Webマーケティングの施策と契約内容にもよりますが、基本的に施策は外注先で実行していくことになります。
つまり、仮説立てをして実行しながら、検証し改善していくフローを外注先が行うことからプロセス部分に自社が携わることがないため、もし外注との契約が終了したらノウハウが残らないことになります。
仮にプロセスの共有を受けたとしても、自身で実行していないので何か課題にぶつかった場合に過去の経験から応用することができません。このことも依存が強まる理由の1つです。
コミュニケーションに時間がかかる
外注先はあらかじめ依頼主と予算や成果目標を定めてから実行していくことになりますが、何か判断を要する場合には都度依頼主と協議をする必要があります。
また依頼主に安心してもらうために進捗や結果の共有を都度行い、そして次の施策をまた協議していくのが一般的な流れです。
つまり、その都度コミュニケーションが発生するので一度任せたからあとは勝手にやっておいてくれるということにはなりません。なので、外注に任せるにはある程度コミュニケーション時間がかかります。
担当者の当たり外れで成果が変わる
外注先を選んでいる時は会社ごとの比較となり、実際に誰に担当してもらうかは契約してみないとわからない場合が多いです。実際問題、担当者によって成果が大きく変わります。
例えば、広告運用において代理店を変更したら成果が変わったということがあります。しかしこれは会社が変わったというより運用者が変わったことで成果が変わったと言えるのです。
LP制作においてもデザイナーが変わるだけで、同じ商品のLPをデザインの雰囲気が変わってきます。基本的に契約時点では担当者を選ぶことができないので、致し方ない部分ではありますが、これも外注化する時のデメリットとして覚えておく必要があります。
外注と自社運用、どちらがいいか悩んでいる方は以下の記事をご覧ください。
外注のメリットが大きいWebマーケティング施策とは
Webマーケティングに関連する業務や作業は多岐に渡るため、多くの企業ではそのすべてを外注するのではなく、一部の業務や作業を依頼することが多いでしょう。
実際に外注先に依頼をする時には、費用や提案内容、実績や体制など多くの要素から外注先・外注内容を決定することになります。
また、どんな施策であっても「丸投げ」でなく、きちんと情報を共有してコミュニケーションを取って進めることが成果を出す前提です。
その上で、ここでは過去に私たちも多くの外注先・パートナーと仕事をしてきた経験から、外注に依頼することで成果につながりやすい施策・業務についてお伝えします。
もちろん当てはまるから絶対に成果が出る・出ないというわけではありませんが、一定の傾向はあります。また理由についても外注先やパートナー、依頼内容を選定する時の参考になるでしょう。
専門的な技術を要する施策・作業(広告運用や制作など)
社内にノウハウがない場合、Webマーケティングの要となるWeb広告の運用や、Webサイト・動画制作は、外注に依頼するメリットが大きいと言えるでしょう。
広告運用や制作をまず専門家に任せることで、余計な失敗や回り道をせずに成果を出しやすくなります。
自社でやっていたら失敗分も費用・時間などがかかるわけですから、この点からも専門的な技術を要する施策・作業は外注に依頼することで成果につながりやすくなるといえるでしょう。
近年は、広告運用の情報サイトやコードを知らなくてもサイトが作れるツールなどが多数あり、自分でもできそうに思いますが、ビジネスをスケールさせる場合には限界があります。知識を習得していると同時に、どんどん新しい情報がアップデートされて、ついて行くのは困難です。
イチからの知識の習得に時間をかけるより、外注の専門家に任せることで、本来自分たちがかけるべき、商品・サービス力の強化、顧客の分析、市場調査などに時間を使えることも、外注活用によって成果につながりやすくなる理由です。
知識と経験を要する施策(コンサルティングやマーケティング支援など)
一朝一夕に身につけることのできない知識や経験を要するマーケティング施策も、外注に依頼するメリットが大きいと言えるでしょう。
例えば、リスト取りや新規集客はそれなりにできるけれども、そこから先の仕組みが整っておらず、売上に直結しないというケースは多くあります。
この場合、マーケティング設計をコンサルティングという形で外注し、支援してもらうことで解消できることがあります。
戦略に関わるマーケティング設計は知識と経験が必要で、誤った設計をしてしまうと予算と時間を無駄にしてしまいます。だからこそ、高度な専門性や客観的な視点を持った外部の力を借りることが有効なのです。
SNS投稿やコンテンツ作りを外注する時は要注意
では、逆に外注する時に注意が必要なWebマーケティング施策はあるのでしょうか。
これまでの経験上、注意が必要だと思うものは、SNS投稿やコンテンツ作りなどの施策です。
これらは可能であれば社内で対応するか、外注やパートナーにお願いするとしても、しっかりとコミュニケーションを取って二人三脚で進めることが重要です。
なぜならば、企業の理念や届けたいメッセージ、サービス内容について一番理解しているのは、自社の社員だからです。
自社から発信する情報やコンテンツについては、自らが力を入れて取り組んで行かなければ顧客に魅力を伝えることはできません。
外注先に丸投げでは、見た目は良くても顧客に届かない、成果にもつながらないコンテンツになることが多いです。
メッセージやコンテンツの内容についてはしっかり社内で詰めて、最後の仕上げとして制作や表現部分をサポートしてもらう、投稿などの作業部分を外部にお願いするなどであれば、外注やパートナーに協力してもらうことで成果につなげることができるでしょう。
Webマーケティングの外注先を選定する際のポイント
外注をする際、一番気になるところは自分の求めた成果を挙げてくれるところかどうか?投資した分の効果が見込めるのか?というところだと思います。
多くの外注先がある中で1つの施策を専門にやっている会社、総合的にやっている会社、独立してフリーでやっている外注など様々な種類があります。
大きい会社には経験と実績、信頼があるかもしれません。しかし、大事なのは自分が依頼をする時に成果以外で何を重要視するかということです。
・こまめに連絡が取れるところがいい
・ただ運用するだけでなく教育してくれるところがいい
・どんどん提案をしてくれるところがいい
・契約内容にとらわれず臨機応変に対応してくれるところがいい
・担当者が固定で長く付き合っていけそうなところがいい
など、色々な条件がある中で、重視したいのは「強み」と「マッチ度」です。
依頼先の外注は何に強いのか
制作会社でも広告の代理店でも会社ごとに強み・弱みがあります。
そこが何かを理解した上で付き合っていくことが大切です。
たとえば広告代理店の場合は「リスティング広告」「ディスプレイ広告」「SNS広告」「YouTube広告」などいろんな配信方法がありますので、当然実績を多く有している配信方法があるはずです。
またGoogleに強い、Yahoo!に強い、Facebookに強いなど媒体別の強みを持っている場合もあります。
こういった強みを知らずに実績や料金だけで選ぶと自分がこの外注を使って作りたい結果、目指しているものと異なる結果となり、後悔することに繋がります。
とはいえ、契約前に外注先の強みを知ることは難しいと思うかもしれません。
その時に見るべきポイントはその外注の実績です。
実績を開示してもらったり、サイトを見たりと手段はいくつかありますが、可能であれば実際に使用したことがある会社に聞いてみることです。
商談では聞けないサービス面や対応面を聞いてみましょう。
自社の企業風土とどれだけマッチするか
そして、もう1つが自分と相手のスタンスがどれだけ合っているかのマッチ度です。
いくつか例をあげると、
カテゴリ | 思考A | 思考B |
---|---|---|
連絡手段 | 電話よりもメールで対応したい | メールよりも電話で対応したい |
連絡頻度 | 運用担当者とこまめな連絡を取りたい | 成果だけだしてくれれば、連絡はそんなにしなくても良い |
情報共有 | 専門的な話はわからないからすべて任せたい | 自身も知識をつけたいのでどんな運用をしているか知りたい |
距離感 | 担当者と人間的に親しくなりたい | ビジネス上の付き合いだけにとどめたい |
提案頻度 | 積極的に新しいことを提案してほしい | 依頼したことだけに専念してほしい |
このように1つの事象に対してもいろんな思考があります。
もし自社と外注の担当者の思考がミスマッチしていたらどうでしょうか。
いくら知見があって実績があったとしても、パートナーとして対等に付き合っていけないようなところでは、長く続きません。
仮に依頼主側にリテラシーが無い中で難しい言葉を並べて、成果を出しているのだから文句を言わないでほしいと言われたらどうでしょうか?
そのようなところは、いくら成果を出してもお金を気持ちよく払えないはずです。
だからこそ、成果以外の部分で自社と相性が良いかが重要になってきます。
これも付き合ってみないとわからない部分ではありますが、契約する前の商談時に色々と気になる部分を聞いて認識を揃えておく必要があります。
初めての外注依頼でも安心、リスティング広告の契約について以下の記事で解説しています。
まとめ
今後ますますWebマーケティングは複雑になっていくことから、事業規模が大きくなってきたら外注を使わずに施策を実行していくということは難しくなっていくことでしょう。
だからこそ、自社のボトルネックを理解して足りないリソース・スキルを補うという考えが重要です。
ただし、すべてを外注にするにはコストがかかることからも、選択をする際には
『リソース×コスト×スキル+目標達成まで期限』からどのように活用するか判断をしていく必要があります。紹介した選定ポイントを元に自社にあったマーケティングパートナーを探していきましょう。
デジタルアスリート株式会社
セールスマーケティング部 次長
某メガバンクのグループ会社でネットバンキングに携わる。
ベンチャー企業でIPOを経験した後、2019年デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
自社の見込み客・新規問い合わせ獲得、自社メディアの運営を行うマーケティング組織を統括。また自社のノウハウ・ナレッジを伝えるセミナー講師としても活動している。
Writer
篠塚康太 記事一覧
デジタルアスリート株式会社
セールスマーケティング部 次長
某メガバンクのグループ会社でネットバンキングに携わる。
ベンチャー企業でIPOを経験した後、2019年デジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
自社の見込み客・新規問い合わせ獲得、自社メディアの運営を行うマーケティング組織を統括。また自社のノウハウ・ナレッジを伝えるセミナー講師としても活動している。