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- リードが商談にならないときは、まず「対象外か」「対象顧客だが検討が進んでいないだけか」を分けて確認する
- 比べる指標はリード獲得単価だけでなく、商談獲得単価と、対応にかかる工数まで含めて考える
- 対象外が多ければ配信設定・バナー・LP・オファーを見直し、対象顧客なら打ち合わせで得られるものを具体的に伝える
「資料ダウンロードは増えたのに、商談が増えない」「広告担当は成果が出ていると言うが、営業はリードの質が悪いと言っている」。BtoBのリード獲得では、こうした認識のズレが起こります。
私は、リードが商談につながらないときに、最初から「もっと検討度の高い人を集めよう」と考えるのは早いと思っています。まず確認したいのは、その人が自社サービスの対象外なのか、それとも対象顧客ではあるものの、まだ検討が進んでいないだけなのかです。
この二つでは、必要な対応が異なります。対象外が多ければ広告やオファーを見直す必要があります。一方、対象顧客が情報収集にとどまっているなら、獲得後の選別や、打ち合わせを提案する方法にも改善の余地があります。
この記事では、営業現場での経験をもとに、リードが商談につながらない原因と、広告・営業のどちらを見直すべきかを整理します。
この記事は2026年10月30日時点の見解と経験をもとにしています。記載している数値例は説明用の仮定であり、特定企業の実績ではありません。
目次
BtoBのリード獲得には、大きく二つの設計がある
前提として、リード獲得の設計は大きく二つに分けて考えられます。一つは、ホワイトペーパーなどの資料ダウンロードで間口を広く取り、多くのリードを獲得してから選別する方法。もう一つは、具体的な相談や問い合わせを中心に、検討が進んでいる人との接点を作る方法です。
| 項目 | 広く獲得してから選別する | 検討度を絞って獲得する |
|---|---|---|
| オファーの例 | ノウハウ資料のダウンロードなど | 具体的な導入相談・見積もり依頼など |
| リード獲得単価 | 抑えやすい | 高くなりやすい |
| 商談化率 | 低くなりやすい | 高くなりやすい |
| 獲得後に必要な対応 | 対象かどうかの選別、検討度に応じた対応 | 具体的な相談への対応、条件の確認 |

これはあくまで傾向です。資料の内容やサービス、広告の設計によって結果は変わるため、オファーの名称だけでリードの価値は決まりません。
重要なのは、どちらを選ぶかよりも、獲得後の対応まで含めて設計できているかです。広く集める方法を選びながら、入ってきた全員がすぐに商談になることを期待すると、広告と営業の認識が食い違います。
比べるべきは、リード獲得単価だけではない
この記事では、広告のCPAを「リード1件を獲得するための広告費」として扱います。ただ、最終的に比較したいのは、商談を何件作れたか、そのためにいくらかかったかです。
例えば、以下の二つを考えてみてください。数値は説明用の仮定です。
| 指標 | 広く獲得する施策 | 検討度を絞る施策 |
|---|---|---|
| 広告費 | 30万円 | 30万円 |
| リード数 | 100件 | 20件 |
| リード獲得単価 | 3,000円 | 15,000円 |
| 商談実施数 | 5件 | 5件 |
| 商談化率 | 5% | 25% |
| 商談獲得単価(広告費ベース) | 6万円 | 6万円 |
※説明用の仮定値。特定の施策の実績ではありません。

リード獲得単価も商談化率も違いますが、広告費ベースの商談獲得単価は同じです。さらに判断するなら、100件と20件に対応する工数の違いや、商談の内容、その後の受注まで見る必要があります。
なお、商談を「日程が決まった時点」で数えるのか、「実際に打ち合わせを行った時点」で数えるのかもそろえましょう。獲得から商談まで時間がかかる場合は、同じ時期に獲得したリードを一定期間追跡して比較することも必要です。
「商談」の定義(日程確定か、打ち合わせ実施か)と、追跡する期間を、施策ごとにそろえてから比べてください。
CPAの安さだけでなく、受注や売上まで踏まえて広告を評価する考え方は、Web広告におけるCPA重視の運用の落とし穴で詳しく解説しています。
「対象外」と「検討度が低い」を一緒にしない
商談にならないリードを確認するとき、私はまず「対象顧客か」と「検討が進んでいるか」を分けて考えます。
| 状態 | 例 | 見直すポイント |
|---|---|---|
| 自社サービスの対象外 | 支援対象の企業規模や事業内容、利用条件に合わない | 配信対象、広告表現、LP、オファー、対象外の判定基準 |
| 対象顧客だが、検討度が低い | 情報収集段階で、目標や施策が決まっていない | 情報収集の目的、望む成果、打ち合わせで提供する価値 |
| 対象顧客で、具体的に検討している | 課題や実施時期が明確で、比較・相談を進めている | 優先対応、必要な情報の提供、日程調整など |

役職が担当者だから対象外、予算がまだ決まっていないから見込みがない、と決めつけないことも大切です。担当者が情報を集め、その内容をもとに上司と検討を進めることもあります。
一方、利用条件に合わない人を、営業トークで無理に商談に引き上げようとする必要はありません。誰を営業対応し、誰と接点を維持し、誰を対象外とするか。その方針がないまま安いリードを集め続けると、対応負担だけが増えてしまいます。
対象顧客だけが興味を持つオファーを作り、対象外を完全にゼロにするのは難しいものです。混ざること自体を失敗とせず、どの程度混ざり、選別にどれくらいの工数がかかり、最終的に商談が作れているかで判断したいと考えています。
対象外が多いときは、広告の「設定」以外も見直す
対象外のリードが多いと、ターゲティング設定だけを見直したくなるかもしれません。しかし、顧客を絞り込む方法は、媒体の配信設定だけではありません。
配信設定・バナー・LP・オファーで、対象をそろえる
| 見直す場所 | 確認したいこと |
|---|---|
| 媒体の配信設定 | 利用できる属性・地域・オーディエンスや除外機能が、対象顧客と合っているか |
| バナー・広告文 | 誰に向けた広告かが伝わっているか |
| LP | 支援する課題、対象企業、利用条件を理解できるか |
| オファー | 集まる人の関心が、自社サービスで解決できる課題とつながっているか |
例えば、バナーに「中小企業のマーケティング担当者様」と入れると、誰に向けた広告なのかが明確になります。広告を見た人が「自分に関係がある内容か」を判断するための手がかりになります。
これは、対象外への表示を技術的に止める設定とは異なります。それでも、クリックする前の段階から対象者を伝えるという、クリエイティブによる選別の考え方です。
LPで対象を伝えていても、広告では誰にでも当てはまる訴求をしていれば、入口と内容にズレが出ます。逆に、広告で絞っても、資料が自社サービスとは関係の薄い人まで広く引き付ける内容なら、獲得後の選別は必要になります。
媒体によって使える設定や除外機能は異なります。Google広告で利用できるターゲティングの種類や選び方については、Google広告の全ターゲティング種類一覧をご参照ください。
絞ること自体を目的にしない
対象外の割合を下げるために間口を狭めれば、対象顧客との接点まで減らす可能性があります。見直した後は、有効リードの割合だけでなく、有効リード数と商談数、対応にかかった工数を確認します。
ここでも大切なのは、リードをきれいにすることではなく、必要な商談を無理なく作れる状態にすることです。
絞り込みによってリード獲得単価が上がった場合も、単価の変化だけで良し悪しを決めず、受注まで踏まえた許容額と照らして判断します。許容額の考え方は、ビジネスモデル別の目標CPAの設定方法を参考にしてください。
対象顧客なのに商談にならないときは、「成功のビジョン」を確認する
対象顧客であっても、資料をダウンロードした時点でサービスの導入を検討しているとは限りません。
私が営業で接してきた情報収集段階の方には、上司から「情報を集めておいて」と依頼された担当者もいました。その場合、具体的な施策や目標数字がまだ決まっていないこともあります。
こうした相手に、自社の実績や強みだけを説明しても、「それで自社はどう変わるのか」が見えなければ、打ち合わせの必要性は伝わりにくいと思っています。
その前提として、相手がどのような悩みを持ち、何を知りたいのかを理解することが欠かせません。広告やLPの訴求を考える際にも共通する視点で、顧客の悩みや欲求を捉えるターゲットリサーチでも詳しく紹介しています。
サービスの強みより、使った後の変化を具体化する
私は、検討度が低い理由の一つに「成功した状態をイメージできていないこと」があると考えています。
問い合わせを増やしたい気持ちはあっても、どの程度増やせそうなのか、いくら必要なのか、何を実行すればよいのかが分からない。すると、検討しようにも判断材料がありません。
そこで、まず確認するのは「何を実現できたら、その人にとって意味があるか」です。問い合わせ数なのか、商談数なのか、既存施策の負担軽減なのか。相手の役割や状況に合わせて、望む成果を具体化します。
目標がない場合も、一方的に課題を決めるのではなく、何のために情報を集め、社内で何を判断したいのかを整理するところから始めます。
そのうえで、目指す成果、実現に向けた施策、必要な費用、顧客側のTODOをつなげて示す。成果を保証するのではなく、前提条件をそろえながら検討材料を作るイメージです。
もちろん、検討が進まない理由が予算、実施時期、社内の優先順位にある場合もあります。成功のビジョンを提示すれば全員が商談になる、という話ではありません。
「説明を聞いてください」ではなく、打ち合わせで得られるものを伝える
情報収集段階の方に打ち合わせを提案するとき、私が重視しているのは、その時間で何が分かるかを伝えることです。
例えば、資料ダウンロード後の電話なら、まず「今回、どのような情報をお探しでしたか」と背景を確認します。その回答を受けて、Web広告を検討しているのか、集客施策を広く探しているのかを聞きます。
その後の会話は、例えば次のような流れです。以下は、普段の営業で意識している考え方を整理した会話例です。
「〇〇さんとしても、問い合わせが今より増えたらうれしいですよね。具体的に、問い合わせや商談をどれくらい増やしたい、といった目標はありますか?」
「であれば、その件数を目指すにはどのような施策と費用が必要か、前提を伺いながら整理することもできます。30分ほど、社内で検討するための材料を作るお時間をいただけませんか?」
「増えたらうれしいですよね」という問いかけは、サービス説明に入る前に、望む成果を共有するための入口です。その同意だけで関心が高まったとは判断せず、具体的な目標や状況を確認していきます。
目標が未定なら、目標の整理自体を打ち合わせの目的にできます。目標があるなら、実現するための条件や選択肢を整理する場にできます。
上司への報告を求められている担当者にとっても、会社紹介を聞くだけでなく、施策・費用・進め方が分かるなら、情報収集の仕事を前に進める時間になります。
ただ日程を確保するのではなく、相手にも打ち合わせの目的を理解してもらうことが重要です。具体的な試算を約束する場合は、算出に必要な情報を事前に確認し、不足する場合は概算や条件整理になることも伝えます。
最初に見直すのは、リードの質か、獲得後の対応か
ここまでを踏まえると、確認する順番は次のようになります。

- 商談になっていない状態を確認する。 連絡がつかないのか、会話後に断られるのか、日程は決まるが実施されないのかを分けます。未接続だけでは、対象外とも検討度不足とも判断できません。
- 対象顧客かを確認する。 企業属性や解決したい課題が、自社の支援対象と合っているかを見ます。
- 対象外が多ければ、入口を見直す。 配信設定・バナー・LP・オファーのどこでズレが生じているかを確認します。
- 対象顧客なら、検討が進まない理由を確認する。 成果を想像できないのか、課題が曖昧なのか、それとも時期や予算などの条件なのかを整理します。
- 原因に合った対応を選ぶ。 打ち合わせを提案する、必要な情報を提供して接点を維持する、実施時期に合わせて再連絡するなどを分けます。
確認の際には、広告担当の数字と、営業担当の感覚を別々に扱わないことも大切です。広告・オファーごとに、対象外の理由、顧客の状況、営業対応、商談の結果を確認できれば、どちらを改善するべきか判断しやすくなります。
まとめ:対象外を減らすことと、検討度を高めることは別の仕事
広くリードを獲得する方法も、検討度を絞って獲得する方法も、商談につながる設計があれば選択肢になります。CPAが安いから成功、商談化率が低いから失敗と、単独の数字だけで決めることはできません。
まず、自社サービスの対象外なのか、対象顧客だが検討が進んでいないのかを分ける。対象外が多いなら入口を見直し、対象顧客なら、望む成果や検討に必要な情報が具体化されているかを確認する。
営業の役割には、まだ明確になっていない目標や課題を一緒に整理し、サービスを使った後の変化を想像できるようにすることも含まれると考えています。
よくある質問
Q.CPAが安いのに、商談が増えないのはなぜですか?
A.CPAはリード1件を獲得するための広告費で、商談の件数や質は示しません。
商談を何件作れたか、そのためにいくらかかったかで比べると、判断の材料になります。獲得後に選別や対応の工数がかかっているかも併せて確認してください。
Q.対象外のリードはゼロにしないといけませんか?
A.完全にゼロにするのは難しいものです。
混ざる割合、選別にかかる工数、最終的に作れている商談数で判断することをおすすめします。対象外を減らすために間口を狭めすぎると、対象顧客との接点まで減るおそれがあります。
Q.対象顧客なのに商談にならないときは、何を確認すればよいですか?
A.まず、望む成果や目標があるかを確認します。
目標がなければ、その整理自体を打ち合わせの目的にできます。成果を想像できないのか、予算や実施時期などの条件があるのかを分けると、対応を選びやすくなります。
Q.対象を絞るには、媒体の配信設定だけを見直せばよいですか?
A.配信設定だけでなく、バナー・広告文、LP、オファーをそろえて見直すことが大切です。
誰に向けた広告かが伝わり、集まる人の関心が自社サービスの課題とつながっていれば、入口のズレは小さくなります。使える設定や除外機能は媒体によって異なります。
2019年デジタルアスリート株式会社入社。広告運用コンサルタントとして、BtoBからECサイトまで広告運用を担当。その後、セールス部門の立ち上げに参画。インサイドセールスとしてお客様の課題を電話口でヒアリングし、フィールドセールスとして具体的な解決策を提案する中で、顧客の真のニーズを捉えるスキルを磨く。現在はディレクターとして、広告運用とセールス、両方の視点を活かした多角的な戦略立案を担当。新規・既存を問わず、多くのお客様の事業成長をサポートする。
Writer
片田湧太郎 記事一覧
2019年デジタルアスリート株式会社入社。広告運用コンサルタントとして、BtoBからECサイトまで広告運用を担当。その後、セールス部門の立ち上げに参画。インサイドセールスとしてお客様の課題を電話口でヒアリングし、フィールドセールスとして具体的な解決策を提案する中で、顧客の真のニーズを捉えるスキルを磨く。現在はディレクターとして、広告運用とセールス、両方の視点を活かした多角的な戦略立案を担当。新規・既存を問わず、多くのお客様の事業成長をサポートする。

