【事例付き】クリック数の最大化は運用初期に効果的な入札戦略

  • 2020.3.25
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広告運用を行う上で、重要視されるのはコンバージョン数とCPAです。
しかし、だからといって入札戦略全てでこれに準じる必要はありません。

実はパフォーマンスを伸ばす上では場合に応じて入札戦略を使い分ける必要があるからです。
そこで今回は入札戦略のうち、意外と使われていない「クリック数の最大化」を使った事例をご紹介します。

クリック数の最大化を使うタイミング

Google広告の入札戦略には様々な種類があります。大きく分けて、手動入札と自動入札(入札戦略)です。

【手動入札】 手動で入札価格と調整する:個別クリック単価制

【自動入札】 目標コンバージョン単価:CPA重視での調整 目標広告費用帯効果:掛けた広告費とコンバージョン値のROASを重視して調整 クリック数の最大化:設定したCPCの範囲で最大限クリックがされるように調整 コンバージョン数の最大化:その名の通りコンバージョンデータをもとに拡大 コンバージョン値の最大化:設定したコンバージョン値で取れるように調整 目標インプレッションシェア:目標インプレッションシェアに合わせて入札調整

設定としては、広告出稿を行う商材やサービスにあった戦略を選択するのですが、多くの会社はCV(獲得件数)を伸ばしたい、もしくはもっとCPA(費用対効果)を下げたいと考えます。 そのため、コンバージョン数の最大化や目標コンバージョン単価を使うケースが多いです。 しかし場合によっては、CVやCPAを改善する時にクリック数の最大化を使用したほうがよいケースがあります。 今回はそんなクリック数の最大化を使うタイミングについて2種類ご紹介します。 入札戦略の詳細な解説はこちらの記事を参考にしてください。

①初動(運用初期)でのテスト時に使用する

「クリック数の最大化」は上限CPCを設定し、そのCPCの中でできるだけクリックを集めるという戦略です。 つまり設定したCPCの中でできるだけインプレッションシェアを高ることで、集客を増やすことができます。 運用初期でクリック数の最大化をおすすめする理由は、この時期は、

  • 参考にするデータが少なく適切なCPCが不明確
  • コンバージョンデータがないため、コンバージョンによる学習が進まない
  • 初期構築や広告文作成にリソースを割きたい
  • まずはアクセスを集めてCVRやCTRを確認したい

というよう事情があり、CPCを細かく設定することの優先順位が下がることが多いからです。 そのためこの時期は、目標CPAから適切なCPCを算出し、それをクリック数の最大化の上限CPCとして設定することをおすすめします。 広告運用を続けていくうち、最終的には適切なCPCを設定することが大切です。 しかしこの時期は、その前にキーワードや広告文、LPの改善など、それよりも改善すべき箇所が多くあります。

②CPCが課題だと判断できた場合

こちらは運用を行う中で、最終的に改善すべき課題がCPCだと明確になった場合です。 広告文のテスト、LPテスト、キーワード選定などある程度改善施策を進めてきた中で、どうしても〇〇円以下でないとCPAが合わないという状況の時に、クリック数の最大化を使用します。 つまり目標CPAに合うCPCで集客をする必要があると判断したタイミングです。 「このキーワードで〇〇円以内ならCVする」というのが明確なのであれば、その時は、「クリック数の最大化」という入札戦略を検討しましょう。

クリック数の最大化を使うべきではないケース

このように、CPC以外に改善すべき指標がある段階では、クリック数の最大化を使用すべきではありません。 やみくもにクリックを集めることで、費用対効果が逆に悪化する可能性があります。 クリック数の最大化の特徴は、上限CPCを決めた上でオークションごとにできるだけクリックを集めることです。 つまりコンバージョン率が低い、広告文のクリック率が低いという状況においては逆効果なのです。

クリック数最大化の設定方法

Google広告の該当キャンペーンの設定から入札戦略を変更できます。 ※入札戦略はキャンペーン単位での設定です。 ここで当該キャンペーンで費用対効果の合うCPCを設定します。 例えば、現状のCPCが90円であれば、80円で最大限にクリックを集めてみる。 それでもCPAが合わないのであれば、さらに10円落として70円で試してみる。 というように上限CPCを調整していくことで、一番費用対効果の合う配信が見つかります。 クリック数最大化のメリットは、手動では追えないオークションでもクリックを集めることを優先に自動で調整をしてくれる点です。 結果として、今まで参加できなかったオークションにも参加することができ、CV獲得のチャンスが増えるのです。 手動で単価調整するコツはこちらの記事で解説しています。

クリック単価が決まる仕組みも合わせて理解しておきましょう。

【事例付き】クリック数の最大化で改善した事例

入札戦略を分けてテストした事例

実際に期間(月単位の期間比較)を分けて、クリック数の最大化とコンバージョン数の最大化でテストした事例です。 運用当初からコンバージョン数最大化を使用して運用してきていましたが、CPAをさらに改善できないかと検討した結果、クリック数の最大化であれば改善見込みがあるのではないかと判断しました。 理由は、

  1. 獲得できるキーワードが定まっていた
  2. CVRも高くこれ以上の改善は難しいと考えた

以上の理由から、最後の課題としてCPCを改善する方法を考えました。 クリック数の最大化はCV見込みの高い層よりもより設定したいCPC内でクリックを最大限集めることに注力します。 つまり現在獲得しているキーワードからさらにインプレッションシェアを獲得し、クリックを多く集められるのではないかと仮定しました。 商材:起業系商材のメールアドレス登録 目標CPA:2,500円以内

●コンバージョン数の最大化 CPC:89円 CV:163件 CPA:2,053円 インプレッションシェア:27.88%

●クリック数の最大化 CPC:80円 CV:169件 CPA:1,777円 インプレッションシェア:35.49%

結果として、クリック数の最大化でCPAを改善することができました。 理由としては、想定の通りクリック数の最大化を使用することで、インプレッションシェアが上がり、より見込み多くのクリックを集めることができたからです。 今回のケースでは、クリック数の最大化を使用することにより、約300円程度のCPA改善に成功したため、更に広告費を投下することができるようになりました。 この事例のように獲得できるキーワードが定まっている+CVRの高いLPができている場合は、クリック数の最大化を使用することで改善できる可能性があります。

商材や状況に合わせて入札戦略を使い分ける必要がある

今回紹介した事例では、コンバージョンが狙えるキーワードにおいて、さらにインプレッションシェアを取ることで、結果としてCV数が増えCPAが改善に成功しました。 「コンバージョン数最大化」では、過去のコンバージョンデータに基づき、よりコンバージョンが狙えるようCPCの調整が行われます。しかしそのCPCでは費用対効果が合わない場合は、成果が頭打ちになってしまうことがあります。 その時は、クリック数の最大化を使用することで改善に繋がる可能性があります。このキーワードであればコンバージョンは狙えるが、これ以上は費用対効果が合わないというCPCが判断できるなら、ぜひクリック数の最大化という選択肢を選びましょう。

まとめ

今回はクリック数最大化について事例をもとにご紹介しました。 実際に使ってみると、この入札戦略を実施するだけで大きく成果が改善することもあります。 ただし本記事で一番お伝えしたいのは、 何を今改善すべきかが明確にする大切さです。 やみくもに調整しても結果はついてきません。目標を明確にしてボトルネックがどこにあるのかを見つけ、着実に改善していきましょう。

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名川 聡

デジタルアスリート株式会社 D2C戦略部 部長
音楽活動のために上京したが、SEO関連の仕事でアルバイトをする中で、インターネットビジネスに興味が湧き、2012年12月にデジタルアスリート株式会社(旧:株式会社リスティングプラス)に入社。
リスティング広告の集客代行から商材のクリエイティブまで 様々な業務を行っている。
50万~1000万円以上の案件を幅広く運用。 約5年間のリスティング広告運用代行及びコンサルティングを経験。
現在はEC商材において、記事制作から広告運用まで幅広い最新広告手法を使いながら、実績作りや新しい媒体開拓を行っている。

プライベートでも、自家製の梅干しや味噌を作るほど健康ジプシーであり、Web集客同様に自身の健康においても常にPDCAを回している。

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