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リスティング広告をはじめたい!と思っても、実際にどのような結果が得られるか、そもそも広告予算はいくら必要なのか、わからない方は多いと思います。
その問題を解決するのがシミュレーションです。 あらかじめシミュレーションをしておくことで、広告予算の目安がわかったり、運用開始後、予定通りに行っていないことに早く気付けるようになります。
この記事ではリスティング広告のシミュレーションの正しい作り方と活用方法を解説していきます。 シミュレーションを作るのって難しそう・・・と思っている方も、この記事を読めば簡単にシミュレーションを作成できるようになるでしょう。
作成に入る前に、まずはシミュレーションを作成するメリットを理解しましょう。 リスティング広告のシミュレーションを作成するメリットは大きく2つあります。
目次
意思決定の材料となる
シミュレーションを出すことによって、成果の見込みが立ちます。 ECの場合は在庫管理や生産管理の参考に、コンテンツビジネスの場合にはヒューマンリソース確保のための参考指標となります。
もちろん広告配信における費用もあらかじめ確認することができます。
シミュレーションと実数値の乖離を埋めることができる
実際にリスティング広告を配信してみて、シミュレーション通りにいかない、ということはよくあります。 シミュレーションは目標値なので、運用を開始すると当然実数値との乖離が生まれます。
しかし乖離があることが悪いのではなく、この乖離に気付くことで早く対策を打つことができるのです。 広告費を100万円使用してから何かおかしいと気付くのか、1万消化した時点で予測値との乖離に気付くのかの違いであり、このようにシミュレーションがあることでコスト面でも大きなリスクを回避できます。
リスティング広告は運用型広告であり、運用の中でさまざまな施策を通じて成果を改善していくのが基本です。 改善のためにも、運用結果の数値が基準値より高いのか低いのか、それとも妥当なのか、正確に判断する必要があります。
間違った判断は間違った結果につながってしまうのです。 正しい判断のもと改善を行い、リスティング広告で成果を上げるためにも基準値となるシミュレーションの作成が重要なのです。
リスティング広告のシミュレーションに必要な8つの指標
まずはリスティング広告のシミュレーションに必要な指標を確認しましょう。
シミュレーション作成に最低限必要な指標
最低限必要な指標は以下の通りです。
・インプレッション数(表示回数)
・CTR(クリック率)
・クリック数
・CPC(平均クリック単価)
・費用
・CV(コンバージョン)
・CVR(コンバージョン率)
・CPA(コンバージョン単価)
各指標の意味や使い方については、以下のページで詳しく解説しています。
4つの項目の基準値を設定すれば計算できる
このように指標は8項目ありますが、実際は4つの項目の基準値を設定すればあとは計算で導けます。 要は4つの項目の基準値を理解すれば良いわけです。簡単ですね。
ではその項目それぞれの出し方を理解しましょう。 必要なのは以下の4つです。
・インプレッション数(表示回数)
・CTR(クリック率)
・CPC(平均クリック単価)
・CVR(コンバージョン単価)
リスティング広告のシミュレーション作成手順
まだ広告を運用していないのに、シミュレーションで使う数字をどこから持ってくればよいのか?という疑問はすぐに解決できます。
Google広告のキーワードプランナーを活用しましょう。
キーワードプランナーはGoogle広告のアカウントを開設すれば利用可能です。 アカウントの開設方法については以下のページをご参考ください。
ではキーワードプランナーを実際に使ってみましょう。
まず、Google広告のアカウントにログインします。 上部の「ツールと設定」から「キーワードプランナー」を選択します。 表示されたページの右「検索のボリュームと予測のデータを確認する」を選択します。 次の画面から、実際のデータを出していきます。
1.インプレッション数(表示回数)を確認する
インプレッション数(表示回数)ですが、こちらはリスティング広告で設定するキーワードの推定インプレッション数を指します。
設定する予定のキーワードを入力します。 ここでは仮に「リスティング広告 代行」「リスティングプラス」を入力してみます。
「リスティング広告 代行」「リスティングプラス」の推定インプレッション数が確認できます。
2.CTR(クリック率)の目安を知る
では次にCTR(クリック率)を設定しましょう。 CTRは基準値を採用します。CTRは表示回数に対しクリックされた回数の割合を示す数字です。 リスティング広告のCTRの目安は以下のように考えます。
ブランドキーワードのクリック率の目安:5~10% 一般キーワードのクリック率の目安:2%~5%
ブランドキーワードはその名の通り広告主の商品やサービス名を指していますから、クリック率は一般キーワードよりも高くなります。
しかし最初から10%を採用するのではなく、目安の中間値をシミュレーションに組み込むようにしましょう。 中間値を採用することで、目安よりも低いか高いかの判断がつきやすくなります。
3.CPC(平均クリック単価)の確認
次はCPC(平均クリック単価)についてです。
設定するキーワードのCPCは、表示回数と同じくキーワードプランナーで推定値を確認することができます。
4.CVR(コンバージョン単価)の目安を知る
最後はCVR(コンバージョン率)です。 今回は通販購入・オプトインの場合の参考CVRを出しています。
コンバージョン率の目安については以下のページでさらに詳しく解説しています。
クリック数・費用・CV・CPAの算出方法 公式を覚えよう
4つの数値が出せれば、あとは残りの4つの指標を計算するだけです。
【クリック数の計算式】
表示回数 × ②クリック率 = クリック数
【費用の計算式】
クリック数 × ③CPC = 費用
【CVの計算式】
クリック数 × CVR = CV
【CPAの計算式】
費用 ÷ CV = CPA
ここまで理解出来れば、リスティング広告のシミュレーションは簡単に作ることができます。
リスティング広告のシミュレーション活用方法
ここからは実際に作成したシミュレーションを使うタイミングと、方法について解説します。
リスティング広告を始める前にシミュレーションを活用する
リスティング広告のシミュレーション数値が出たら、目標値とのすり合わせを行いましょう。 仮に予算を50万に設定していたとします。目標CPAは10,000円です。
CVポイントは通販購入で、50件のCVを見込んでいます。 ただし商品はリリースしたばかりで、知名度はありません。 その場合、ブランド名での流入は期待できません。
上で説明した通りCVRの検索(コア)の基準値は1%です。 ここでCV数の計算式を振り返りましょう。
【CV数の計算式】
クリック数 × CVR = CV数 CVRが1%出せたとしても、50件のCVを出すためには5,000クリックが必要になります。 そうすると50万の予算ではCPCの上限は100円となります。
しかし、設定したキーワードのCPCの推定値は350円でした。
この結果から計算すると、クリック数は予算50万÷CPC350円=1,428となり、上記のCVの計算式でCVを出すと獲得予測件数は14件となります。 目標の50件と36件も乖離があります。 このような結果が出た場合、いずれかを選択します。
case1.シミュレーションをもとに目標値を改める
このシミュレーションを受け入れて目標値自体を改めるということです。 予算の増額が難しい場合はこの選択を選ぶことも時には必要です。 そもそもの目標設定が甘い、と考えるべきでしょう。
case2.予算を増額して成果を追う
50件のCVという目標値を第一優先とした場合に選択する必要が出てきます。 この場合、必要予算は必要クリック数5,000×CPC350円=予算175万円ということになります。125万円の増額が必要になります。
case3.それ以外の方法を模索する
それ以外の方法としては、次の2つがあります。
◯リスティング広告で改善
・キーワード設定を見直して単価の低いキーワードの割合を増やす、
・CVRを高めるために広告文でセグメントをかける
・CVRを高めるためにオファーを強力にする・権威性を上げる
そもそもリスティング広告では成果を出しにくい商材やサービスの可能性があります。 この場合リスティング広告の出稿自体を見直す必要も出てきます。
◯リスティング広告以外で改善
・ブランドを認知してもらうために戦略を改める
・配信手法を変更する
・配信媒体を変える
想定していた成果よりも良いのか悪いのか。悪いのであれば次に必要なアクションは何なのか。 そもそもリスティング広告を本当に出稿すべきなのか?
目的はリスティング広告を出稿することではありません。求める成果を出せるよう、方法を模索する必要があります。
リスティング広告を始めた後にシミュレーションを活用する
リスティング広告を開始した後には、実際の数字とシミュレーションのずれから原因を分析して改善を行っていきます。
ここでは8つの指標について、具体例に起こりうるケースと考えられる原因を挙げます。 改善のためには、これらの原因に気づいて早めに対策を取ることが必要です。
Case1.インプレッション数(表示回数)が不足している
・キーワードがニッチすぎて検索ボリュームが小さい
・キーワードの量が十分でない
・キーワードのマッチタイプが部分一致以外の設定になっており、インプレッションが発生しにくい
・キーワードの入札単価が低く、他社にオークションで競り負けており、インプレッションが発生しにくい
・広告のクリック率が低く、他社にオークションで競り負けており、インプレッションが発生しにくい
Case2.CTR(クリック率)が基準値を満たしていない
・キーワードと広告文に関連性がなく、ユーザーの興味を引かない
・広告文に登録キーワードが含まれず、ユーザーの興味を引かない
Case3.クリック数が不足している
・キーワードがニッチすぎて検索ボリュームが小さい
・キーワードの設定数が十分でない
・キーワードのマッチタイプが部分一致以外の設定になっており、インプレッションが発生しにくい(結果クリック数も発生しにくい)
・キーワードの入札単価が低く、他社にオークションで競り負けており、インプレッションが発生しにくい(結果クリック数も発生しにくい)
・広告のクリック率が低く、他社にオークションで競り負けており、インプレッションが発生しにくい(結果クリック数も発生しにくい)
Case4.CPC(平均クリック単価)が高い
・広告のクリック率が低い
・商材・サービスの利益率が高いため競合他社の入札単価の設定が高い
・競合他社が多い(レッドオーシャン)
Case5.広告費の消化スピードが速い
・キーワードの検索ボリュームが大きい
・キーワードの設定数が多すぎる
・アカウントの予算設定に不足がある
・入札単価の設定が適切でない
・商材・サービスの利益率が高いため競合他社の入札単価の設定が高い
Case6.CV(コンバージョン)が少ない
・キーワードの選定に問題がある(CVにつながるユーザーのアクセスを集められていない)
・広告文に問題がある(CVにつながるユーザーのアクセスを集められていない)
・ランディングページに問題がある
Case7.CVR(コンバージョン率)が基準値を満たしていない
・キーワードの選定に問題がある(CVにつながるユーザーのアクセスを集められていない)
・広告文に問題がある(CVにつながるユーザーのアクセスを集められていない)
・ランディングページに問題がある
Case8.CPA(コンバージョン単価)が高い
・コンバージョン率が基準を満たしていない
・クリック単価が高い
・キーワードの選定に問題がある(CVにつながるユーザーのアクセスを集められていない)
・広告文に問題がある(CVにつながるユーザーのアクセスを集められていない)
・ランディングページに問題がある
まとめ
お伝えしたように、リスティング広告は運用型広告です。 リスティング広告の運用結果と、作成したシミュレーションの数値に乖離があり、またその数値がシミュレーションよりも低い数値であったなら運用の改善が必要だと判断できます。
上記の具体例のようにCTRが低いならキーワード設定の見直しや広告文の改善を、CVRが低いならキーワードの見直し・広告文の改善に加えてランディングページの改善を検討しなければなりません。
シミュレーションから改善すべき数値を明確にし、リスティング広告の運用の最適化を図っていきましょう。
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